麻布十番商店街から大黒坂や暗闇坂を上り、一本松を超えた先にある「麻布 氷川神社」は、1000年以上の歴史を持つ。
江戸時代には将軍家、明治時代には宮家や武家などが参拝し、麻布の地の崇敬される郷社として戦前は行政機能を持ったことも。今も名士の参詣が多い由緒ある社だ。
六本木ヒルズから訪れる場合は、暗闇坂からのアプローチが便利。急こう配が難儀なものの一本松付近から平坦になり、10分ほどで到着する。鳥居の先に樹齢数百年は経っていそうな神木のクスノキ、戦災樹木のイチョウが並ぶ。取材時は秋だったため、黄色と緑のコントラストがきれいだ。神木は健康や長寿のパワーがあるとされ、毎日の通勤やランニングの際に立ち寄って木に触れていく熱心な氏子も多い。最近は、若い人の参拝も目立つという。
境内に入ると、左手に手水舎、右手に宮神輿庫と神楽殿が建つ。手水舎は戦前のもので、丸くどっしりした石が印象的。宮神輿庫には、全長3m以上ありそうな宮神輿が収まっており、氏子が担ぐ神輿と比べて巨大さ、壮麗さが際立つ。戦前はこれを牛にひかせて巡行していた。現在は、元旦や例大祭などで年3回ほど公開されている。隣の神楽殿も、例大祭で見られる。
焼失した本殿は、1948(昭和23)年に鉄筋コンクリート工学の建築家が設計し、氏子総力で再建。物資不足の当時に実施できたのも地域の崇敬を集める社であったから。1992(平成4)年にマンガ『美少女戦士セーラームーン』に登場する人物が住む神社のモデルとなってからは、外国人の参拝者も増えたとか。六本木ヒルズや麻布十番を散策する際に少し足を延ばし、同地を見守ってきた社にお参りしてみるのはいかがだろうか?
名称 | 麻布 氷川神社 |
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所在地 | 港区元麻布1-4-23 |
問合せ | 03-3446-8796 |
受付時間 | 授与所 9:00〜16:00 御祈願 9:00〜15:30 |
アクセス | 南北線「麻布十番駅」徒歩8分 日比谷線「六本木駅」徒歩10分 |
公式サイト | https://www.azabuhikawa.or.jp/ |
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