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ここ数年で一気にハリウッドスターの仲間入りを果たした若手俳優コリン・ファレルが、名優アル・パチーノと堂々の共演。ロジャー・ドナルドソン監督やスタッフの熱心な取材や調査などの尽力により、アメリカの諜報機関CIAの舞台裏をスリリングに描き出したドラマである。

アメリカの名門マサチューセッツ工科大学の優秀な学生であるジェイムズは、ある日CIAのベテラン教官から採用のオファーを受ける。知力や体力などさまざまな適性テストを受けていくなか、ある過酷なテストでジェイムズは脱落。が、教官から秘密工作員NOCとして働くよう指示を受け、CIAに潜入中の二重スパイの活動と黒幕を探ることになる。

安定した熟練の演技で魅せる名優アル・パチーノもさることながら、本作で観るべきはやっぱりコリン・ファレル！！実は彼はアメリカのＴＶ番組「アクセス・ハリウッド」でも、「最もセクシーな俳優」にブラピをおさえてNo.1に選ばれたという旬の男。今回もさしてセクシーな役ではないにもかかわらず、えもいわれぬプリミティブな甘い匂いを強烈に放っていた。私生活では大酒飲みで女好き、フリーセックスを赤裸々に公言。'01年に女優と4ヶ月間のスピード離婚後は、ブリトニー・スピアーズやデミ・ムーアら有名人のみならず、売春婦やストリップバーの女たちとも噂に。モデルとの間にできたベビー（'02年9月に男児誕生）を認知して未婚の父になったかと思えば、今は映画で共演したアンジェリーナ・ジョリーと真剣熱愛中という。妙に明るくオープンで突き抜けているため、不思議と憎まれないキャラクターもまた、スターな資質。俳優のキャリアをスタートした'96年から、ケタ外れのバイタリティと努力と才能と運によって短期間でスターとなったアイルランド出身の26歳から目が離せない。

ファレルの出演作は『デアデビル』『Ｓ.W.A.T』などの運動神経を生かしたものや、『マイノリティ・リポート』や本作のような男臭い作品が主流。しかし体育会系セクシーガイというだけではなく、英語圏で高く評価されているさまざまな訛りを完全に使い分ける能力や、本能的にアプローチする演技力といった繊細な力量も彼は持ち合わせている。そろそろ深みのあるロマンティックな役も観てみたい……と思っているのは私だけではないはずだ。