ハリー・ポッターと炎のゴブレット

邪悪なヴォルデモード卿が遂に復活 !?
過酷な試合に挑み、舞踏会でダンスを踊る
さらに凛々しくなったハリーが奮闘する第四章

  • 2005/11/04
  • イベント
  • シネマ
ハリー・ポッターと炎のゴブレット© 2005 Warner Bros. Ent. Harry Potter Publishing Rights (C) J.K.R.

J・K・ローリングのベストセラー“ハリー・ポッター”シリーズの第4章がスクリーンに登場。監督は『フォー・ウェディング』などで高く評価されているイギリス人監督マイク・ニューウェル。邪悪なヴォルデモード卿の復活が示され、危険極まりない“三大魔法学校対抗試合”を経て、物語は新たな局面へ。ダニエル・ラドクリフをはじめ、おなじみの俳優たちによるファンタジー・アドベンチャーである。

ホグワーツ魔法魔術学校主催により、数百年ぶりに伝説の“三大魔法学校対抗試合”が開催。お嬢様学校のボーバトン魔法アカデミー、体育会系のダームストラング学院というヨーロッパを代表する魔法学校の生徒たちがホグワーツにやってくる。試合出場者が“炎のゴブレット”によって選ばれていく中、17歳以上という年齢規定にはずれているはずの14歳のハリーがなぜか4人目として選定。命がけの熾烈な対校試合に出場することになる。

ハリー・ポッターと炎のゴブレット

“僕たちの冒険アドベンチャー”という明るい路線から、人の心の弱さやずるさ、苦悩なども臆さずに描くダークでシリアスな展開へ。対校試合の過酷な試練、ハリーへのねたみや非難、闇の魔術……ホグワーツに満ちていく不穏な空気。ヴォルデモード卿復活による暗黒の時代到来の予感を前に、ダンブルドア校長は魔法魔術学校の結束の強化を図り、ハリーもまたさらに厳しい試練に挑むことになる。

ハリー・ポッターと炎のゴブレット

もちろん、暗く重いことばかりではない。スピード感あるクィディッチ大会、ドキドキさせてくれる新しい魔法、ホグワーツ校内のクラシックな様式美など、期待通りの見どころも多々。そして対抗試合以上にハリーとロンを大いに悩ませるのは、クリスマス舞踏会のパートナー選び。思春期の学生らしいやりとりがかわいらしく、3校合同の盛大な舞踏会シーンも華やかだ。

予想はしていたものの、ラドクリフ(16歳)、ロン役のルパート・グリント(17歳)、ハーマイオニー役のエマ・ワトソン(15歳)ら3人の成長ぶりが著しい。少年2人は男らしく、ワトソンはキレイに。思春期では、身長や体型や雰囲気などが目に見えて変化するので面白い。彼らは現在、シリーズ最後まで自らの役を演じることを希望しているそうだが、14歳のままのハリーたちを彼らがどこまで演じていけるか。最後までまっとうできるかどうかが見ものである。そしてヴォルデモード卿を演じるのは、英国が誇る演技派俳優レイフ・ファインズ。出番はあまり多くないものの、さすがの存在感を見せつけてくれる。要となる敵役がいいと物語が締まるので、この配役はいち観客として嬉しい。個人的に気に入ったのは、初登場となる防衛術の新任教師ムーディ。伝説的な闇の魔法使い捕獲人として戦い抜いてきたため、風貌は恐ろしいが、ブラック・ユーモアと茶目っ気が効いていて、愛嬌がある。どことなく泉谷しげる風のおっちゃんキャラだ。

ハリー・ポッターと炎のゴブレット

シリーズ次回作は、さらにシリアス度を増していくという『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』。激化するヴォルデモードの攻撃や宿命にあえぐハリーの葛藤など、ダークな内容をどのように見せていくか。ファンの子供たちはついていけるのか。もろもろ、楽しみである。

作品データ

ハリー・ポッターと炎のゴブレット
公開 2005年11月26日公開
丸の内ピカデリー1ほか全国ロードショー
制作年/制作国 2005年 アメリカ
上映時間 2:37
配給 UIP映画
監督 マイク・ニューウェル
原作 J・K・ローリング
脚本 スティーブ・クローブス
出演 ダニエル・ラドクリフ
ルパート・グリント
エマ・ワトソン
ロビー・コルトレーン
マイケル・ガンボン
レイフ・ファインズ
ブレンダン・グリーソン
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
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