運命に立ち向かう人々の愛と闘いを
幻想的なヴィジュアルと視覚効果で魅せる
アジアが世界に放つアクション・ファンタジー
日本、韓国、中国の才能がここに結集。出演は韓国四天王のひとりチャン・ドンゴン、香港出身の人気女優セシリア・チャン、そして日本から真田広之。監督は1993年のカンヌ国際映画祭にて『さらば、わが愛〜覇王別姫』でパルムドールを受賞した中国のチェン・カイコー。中国ロケによる壮大なスケールで、愛と運命をファンタジックに描いたアクション・エンタテインメント大作である。
アジアのどこか、“未来における3000年前”。神が人に約束を与え、運命を示していた頃。ある神が貧しい少女に真実の愛と引換えに王妃(セシリア)の座を約束し、伝説的な大将軍・光明(真田)に「心が動いて涙を流したときに命を落とす」と予言。反乱軍から王と王妃を救うべく城へと急いでいた光明は、反乱軍の刺客に深手を負わされ、自分の身代わりに俊足の奴隷・昆崙(ドンゴン)を城へと放つ。しかし王や王妃の顔を知らない昆崙は、正義と信じて大きな過ちを犯してしまう。
壮大な歴史ロマン風ファンタジー。悲恋モノの側面もあるが、広い意味では愛を叶え、“運命はいつでも自らの手で変えることができる”というポジティブなメッセージが打ち出された作品だ。
見どころは期待通り、ワイヤーアクションと視覚効果。なかでも凧揚げの要領で王妃が空を飛ぶシーンは、コミカルなニュアンスも一瞬あるものの映像で観るとなかなか幻想的。このギャグとファンタジーぎりぎりのキワどいセンスは、『キル・ビルVol.1』『少林サッカー』を手がけたアジアの視覚効果スタジオ、セントロ・デジタル・ピクチャーズのメンバーが手がけたというから納得だ。
真田は得意の剣とアクションで光明役を、ドンゴンはひたすら走り続ける純粋な眼差しの昆崙役をそれぞれ熱演。セシリアは真実の愛を求めて彷徨う姫をコケティッシュに演じている。最初から各国の俳優を起用してアジアの大製作をしようと思っていた、というカイコー監督。「アジア映画には哀しいテーマが多いが、そろそろ新しいテーマを模索していく時期。この映画はファンタジーであり、運命を選ぶことなどの生き生きとしたテーマを盛り込み、新しいタイプの娯楽作品になっている」とのこと。本作ではカイコー監督のしみじみとした持ち味より、あえてわかりやすいメッセージと娯楽性を表現したようだ。
ゴールデングローブ賞外国語映画部門にノミネートされた本作。先ごろエンディングに新カットが導入され、日本ではそのディレクターズカット版を公開。未来への希望をよりはっきりと打ち出す工夫がなされたようだ。世界照準でアジアの映画作りを目指すカイコー監督の熱意を、本作で感じてみてはいかがだろう。
公開 | 2006年2月11日公開 サロンパス ルーブル丸の内ほか全国松竹・東急系にてロードショー |
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制作年/制作国 | 2005年 中国 |
上映時間 | 2:04 |
配給 | ワーナーブラザース映画 |
監督・脚本 | チェン・カイコー |
製作・出演 | チェン・ホン |
視覚効果(VFX) スーパーバイザー | フランキー・チャン セントロ・デジタル・ピクチャーズ |
出演 | チャン・ドンゴン 真田広之 セシリア・チャン リウ・イェ ニコラス・ツェー |
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