スタイル・アイコンのサラが超堅物に!?
キートン共演、気鋭のベズーチャ監督による
シビアでコミカルな愛のファミリー・ムービー
アメリカの人気TVシリーズ『セックス・アンド・ザ・シティ』のキャリー役でブレイクしたファッション・アイコン、サラ・ジェシカ・パーカー主演、演技派のダイアン・キートン共演によるハートウォームなファミリー・ドラマ。理想の幸せを叶えようとしているキャリア・ウーマンが、周囲の人々との摩擦や交流を経て、本当の幸せを見出すまでを描く。ある家族、ある大人たちによる、愛と結婚をめぐる群像劇である。
NYで暮らすメレディスは、理想的な恋人エヴェレットとともに彼の実家でクリスマス休暇を過ごすことに。両親の家には、幼い娘を連れた妊娠中の長女スザンナ、気の強い次女エイミー、映画関係者の次男ベン、耳の不自由な三男サッドと彼のゲイの恋人であるアフリカン・アメリカンのパトリックが集っている。長男エヴェレットの恋人として訪れたメレディスは、休暇でも細身のスーツにまとめ髪という堅物ぶりで、家族のリベラルな雰囲気から浮いてしまう。
ジャンルでいうと、笑いあり涙ありのハートフルなホームドラマであり、不器用な大人たちの恋愛映画。登場人物たちは皆それぞれに頑固で自分なりの個性や価値観をもつ、長所も短所もある市井の人々だ。気になったのは、観ていても不快なメレディスの偏見に抗議した家族が、後で彼女に謝るところ。家族の態度は正しいのに、という具合に納得いかない面もいくつかあったが、筋を通すことよりも清濁あわせ呑むことこそ広い意味の愛、というメッセージと考えると合点がいく。
プライベートでもブランド好きで知られるパーカーは、メレディスの個性を象徴するスタイルとしてナルシソ ロドリゲスのスーツを提案。地味ながらも予想通り、洗練のファッションを披露している。5人の子供を育て上げ、長男とメレディスの結婚に反対する賢母役キートンのスタイルは、作家や彫刻家など女性クリエイターたちのファッションを参考にしたそう。自分の意見をはっきりと伝える、厳しくも情の深い母親像は共感を誘う。
この映画のテーマについて、「自分が本当に必要としているものを見つけること。それは他人の期待や認識によって自分を決めてしまうことじゃない」と語るのは、監督・脚本を手がけたトーマス・ベズーチャ。ファッション界出身で映画製作はスタートしてまもないものの、処女作『Big Eden』が高く評価され、二作目のこの映画でパーカーがゴールデングローブ賞にノミネートされるなど気鋭の才能である。
観なくても展開が読めそう、とタカをくくっていたところ、意外な展開もあった本作。真夏公開のクリスマス映画で、クーラー冷えの身体を温めてみるのもいいかもしれない。
公開 | 2006年7月15日公開 シャンテ シネほか全国順次ロードショー |
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制作年/制作国 | 2005年 アメリカ |
上映時間 | 1:43 |
配給 | 20世紀フォックス映画 |
監督・脚本 | トーマス・ベズーチャ |
出演 | サラ・ジェシカ・パーカー ダイアン・キートン レイチェル・マクアダムス ダーモット・マローニー クレイグ・T・ネルソン ルーク・ウィルソン クレア・デインズ |
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