マイアミ・バイス

腕は強く思いは熱く、男気みなぎるドラマに興奮!
マン監督がファレル×フォックス共演で映画化
より劇的に蘇るアクション・エンタテインメント

  • 2006/08/11
  • イベント
  • シネマ
マイアミ・バイス© 2006 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

伝説的な人気を博したTVシリーズをコリン・ファレルとジェイミー・フォックスの共演で映画化。監督はTV版で1984年から計5シーズンの製作総指揮をとったマイケル・マン、本作の製作総指揮はエミー賞の受賞歴多数、当時マンとともにTV版を手がけた米国TV界の大御所クリエイター、アンソニー・ヤーコヴィック。危険を承知で事件の核心へと深く入り込む刑事2人の、最高に痛快でスタイリッシュなアクション・エンタテインメントである。

楽園都市である反面、巨大犯罪組織による密輸の中継地という裏の顔をもつ、アメリカ合衆国で最も南米に近い地マイアミ。警察特捜課(バイス)の潜入捜査官ソニー・クロケット(ファレル)とリカルド・タブス(フォックス)が違法売春摘発のためクラブに潜んでいると、ある犯罪組織に送り込まれていた情報屋から切羽詰まった様子の連絡が入る。

マイアミ・バイス

なぜ一介の刑事が職務中にフェラーリを乗り回してるの? そんな野暮な目線は必要ナシ! パワーボートで海を、プライベート・ジェットで空を、フェラーリやBMWで街を駆ける。クロケット&タブスの颯爽とした姿は、観る者のハートを熱く高揚させる。

基本的なストーリーは刑事コンビが犯罪組織に潜入捜査で入り込み……というごく定番の内容だが、サイドストーリーとの絡ませ方がすごく良い。クロケットには本気で恋した犯罪組織の関係者イザベラが、一途なタブスには恋人トルーディが最大の力の源となり、弱点にもなる。そして2人とも、愛する女性が事件に関わった時にとる行動が直球勝負。すべての人物に大義や野望はあれど、重要な意志は感情が決める。物語の流れに説得力があり、共感できるのだ。こうした人間ドラマの妙は、マン監督の熟練の手腕によるもの。ラストの落としどころも明快で清々しい。

マイアミ・バイス

ファレルとフォックス、主演2人はそれぞれアクション映画を数回経験済みのため動きも堂に入っている。クライマックスの派手な銃撃戦は見応え十分。ファレルの本能的でどこか紙一重な面はクロケット役に、フォックスのスウィートで真面目な気質はタブス役によく合っている。冷徹なイザベラがどんどん魅力を増していく様を中国人女優コン・リーが自然体で演じている。

マイアミからウルグアイ、パラグアイなど中南米でロケを敢行した本作。緊張感を高めるため、実際に危険な地域で撮影したことにより、猥雑で危険な香りがスクリーン全体からそこはかとなく伝わってくる。また、クロケットとイザベラがバンドに合わせてサルサを踊るシーンでは、2人がちゃんとステップを踏んで格好よく踊っていることもあり、ラテンのリゾート気分が大いに盛り上がる。全米でも大ヒット中の本作。これはぜひ、マイケル・マン監督・脚本・製作でシリーズ化してほしい。抜群の人気シリーズになるはずだ。

作品データ

マイアミ・バイス
公開 2006年9月2日公開
日劇1ほか全国拡大ロードショー
制作年/制作国 2006年 アメリカ
上映時間 2:12
配給 UIP映画
監督・脚本・製作 マイケル・マン
製作総指揮 アンソニー・ヤーコヴィック
出演 コリン・ファレル
ジェイミー・フォックス
コン・リー
ナオミ・ハリス
ジョン・オーティス
エリザベス・ロドリゲス
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
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