ダイ・ハード4.0

アナログおやじが最強のサイバーテロに立ち向かう。
熱狂的ファンの監督や若手キャストとともに
12年ぶりの復活を遂げたマクレーンの大活劇

  • 2007/06/15
  • イベント
  • シネマ
ダイ・ハード4.0© TWENTIETH CENTURY FOX

見よ、オヤジの底力。前作から12年、ブルース・ウィリスが演じる、人間味あふれる古典的デカのジョン・マクレーンが遂にスクリーンにカムバック。共演はコミカルな演技で人気のジャスティン・ロング、モデル出身のオリエンタルな女優マギー・Q、個性派のティモシー・オリファント、監督は『アンダー・ワールド』シリーズで成功を収めたレン・ワイズマン監督。登場人物たちがジェネレーション・ギャップを乗り越えて結びついていくストーリーと同様、製作でもベテランと若手が強力なタッグを組み、痛快で味わいのあるアクション大作が完成した。

独立記念日の前夜。NY市警のジョン・マクレーン警部補が、ニュージャージーに暮らすハッカー、マットの身柄をFBIに連行しようとしたその時、謎の一味に襲撃される。執拗な攻撃をかわしながら2人がワシントンDCのFBI本部に着くと、陸・海・空すべての交通網がダウンし、北米全土は大混乱に陥っていた。組織的なサイバーテロが国家に総攻撃を仕掛ける中、マットは自分が開発に関わったプログラムが使われていることに気づく。

ダイ・ハード4.0

携帯電話の使い方もろくにわからないアナログ人間のマクレーンと、ネットワークを駆使して世間を斜めに見る屈折したハッカーのマット。 相容れない2人が互いに歩み寄りつつ、力をあわせて強大な敵に向かっていく過程はとてもコミカル。 斬新な激しいアクションと世代間ギャップによる脱力系の掛け合いの落差が面白く、緩急のつけ方が絶妙だ。後半からは仕事バカで過保護な父に反発するマクレーンの愛娘ルーシーも加わり、世代を超えた友情に加え、父娘の絆も描いていく。親世代と若い世代、双方の共感を誘う演出が心憎い。

ダイ・ハード4.0

1作目が公開された’88年に16歳だったというワイズマン監督は、実はシリーズの熱狂的ファンとのこと。高校時代に自作自演で『ダイ・ハード』の短編を作り、これまでのシリーズ三作の台詞すべてを暗記しているという。監督は“マクレーンは現代のカウボーイであり、すべては現実である”という考えからリアリティにこだわり、意表をつく派手なクラッシュからお約束どおりマクレーンが間一髪で生き延びる様まで、すべてスリリングに描写。荒削りでハードな昔ながらのアクションは見応えがある。

ダイ・ハード4.0

本作が伝説的なアクション・シリーズであるために、続編の製作には慎重だったというウィリス。本作で彼は、熟練の経験と知恵と勘をもつ、昔気質の愛すべき親父像をガッチリと再構築。封印された不死身のマクレーンは、みごと復活に成功した。さて、自ら監督・脚本・出演したシリーズ完結編『ロッキー・ザ・ファイナル』で健在ぶりを示したシルベスター・スタローンも然り、旧作の続編やリメイクであふれているネタ薄のハリウッドで、ウィリスをはじめ団塊世代の俳優たちはいま元気がいい。普遍的な存在として自らを確信する、余裕のある様が、観る者に安心感を抱かせるからなのだろうか。人間味あふれるおじさま俳優の活躍は、今後も大いに注目だ。

作品データ

ダイ・ハード4.0
公開 2007年6月30日公開
日劇プレックスほか全国超拡大ロードショー
制作年/制作国 2007年 アメリカ
上映時間 2:09
配給 20世紀フォックス映画
監督 レン・ワイズマン
脚本 マーク・ボンバック
出演 ブルース・ウィリス
ジャスティン・ロング
マギー・Q
ティモシー・オリファント
メアリー・エリザベス・ウィンステッド
クリフ・カーティス
ケヴィン・スミス
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
XInstagram

記載内容は取材もしくは更新時の情報によるものです。商品の価格や取扱い・営業時間の変更等がございます。