'60年代のダンスとファッションがたっぷり!
トラヴォルタらベテラン勢と新人たちがダンス共演。
幸福感みなぎるキュートなミュージカル映画。
米国インディペンデント映画界の奇才ジョン・ウォーターズが監督・脚本・出演した1987年のカルト映画が、2002年にブロードウェイでミュージカル化され、2003年にはトニー賞で作品賞など8部門を受賞。現在もロングラン上演が続き、2007年7月18日〜8月12日には日本で上演。そして映画とミュージカル双方の魅力を取り入れて、よりシンプルにメジャー感を際立たせたリメイク作品が完成した。
出演はセクシーなジョン・トラヴォルタ、個性派のクリストファー・ウォーケン、ミシェル・ファイファー、ミュージシャンとしても人気のクイーン・ラティファらベテラン勢に、新人のニッキー・ブロンスキー、TV番組『ハイスクール・ミュージカル』でブレイクしたザック・エフロン。カラフルでパワフル、ユニークで幸福感いっぱいのキュートなミュージカルムービーである。
1960年代のアメリカ、ボルチモア。ビッグサイズの女子高生トレーシーは、TVのダンス番組『コーニー・コリンズ・ショー』が大好き。ママの制止を振り切って番組出演のオーディションに飛び込み参加すると、そのノリとダンスで見事合格。トレーシーは両親や友達の応援を得て、ベルマ&アンバー母娘からの一方的なライバル視を気にもせず、番組を通じて人気を高めていく。そんな折、ダンスを通じて知り合ったアフリカン・アメリカンの仲間たちとともにトレーシーは人種差別反対のデモに参加し、警察に追われることに。そしてダンスコンテスト「ミス・ヘアスプレー」が開催され…。
トレーシー役のブロンスキーが最初に歌うシーンで「この娘が主役?」と「?」マークが浮かびまくるかもしれないが、彼女は “観客が惚れ込むような愛嬌のある太ったティーンエイジャー”として、1000人の中からオーディションで選ばれた逸材。溌剌とした歌声とダンスを披露している。
傑作なのは特殊メイクで巨漢ママに変身したトラヴォルタ。スタッフが1年かけて彼を口説き、『グリース』以来29年ぶりのミュージカル映画の出演が実現。ブロンスキーとともに母娘ダンスを踊るLサイズブティックのシーンは、コミカルでプリティでたまらない。
意外だったのは、トラヴォルタの推薦で本作の出演が決まったというパパ役のウォーケンのこと。クセのある不気味な名脇役として有名な彼が、ミュージカル出身でダンスが上手いとは驚き。巨漢ママとガリガリのパパの夫婦コンビによるデュエットとダンスもとてもラブリーだ。もちろんラティファはミュージシャン兼俳優の真価を発揮し、若手たちによる’60年代風の群舞も爽快。監督はダンサーや振付家として活躍し、’01年に『ウエディング・プランナー』で監督デビューを果たしたアダム・シャンクマン、製作陣は’02年の『シカゴ』の面々、音楽はマーク・シェイマンと作詞のスコット・ウィットマンというトニー賞やグラミー賞受賞経験のある実力派というだけあって、ミュージカル映画として魅せる仕上がりとなっている。
オリジナルよりもエンタメ性を追求し、影の部分を軽くした本作。変態チックな悪趣味映画でも知られるジョン・ウォーターズ作品がオリジナルであることをほとんど出していない点や、人種差別や偏見の描写がマイルドにアレンジされているところはハリウッドの判断だろうか。いずれにしても、愛と幸福感を高めるストレートなデートムービーとして、日本でもヒットの予感!
公開 | 2007年10月20日公開 丸の内プラゼールほか全国松竹・東急系にてロードショー |
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制作年/制作国 | 2007年 アメリカ |
上映時間 | 1:57 |
配給 | ギャガ・コミュニケーションズ |
監督 | アダム・シャンクマン |
脚本 | レスリー・ディクソン |
出演 | ジョン・トラヴォルタ ニッキー・ブロンスキー アマンダ・バインズ クリストファー・ウォーケン ザック・エフロン クイーン・ラティファ ミシェル・ファイファー |
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