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SF作家フィリップ・K・ディックの短編を映画化
核爆弾テロに予知能力者とFBIが立ち向かう
大掛かりなアクション・スリラー

  • 2008/04/25
  • イベント
  • シネマ
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映画『ブレードランナー』『トータル・リコール』『マイノリティ・リポート』の原作者として知られるアメリカのSF作家フィリップ・K・ディックの短編『ゴールデン・マン』を映画化。出演はオスカー俳優のニコラス・ケイジ、演技派のジュリアン・ムーア、セクシーで健康的な若手女優ジェシカ・ビール。監督は『007/ダイ・アナザー・デイ』のリー・タマホリ。2分先の未来が見える男は、核爆弾テロを阻止することができるのか。大掛かりなアクションでみせる派手なサスペンスである。

ラスベガスでマジシャンをしているクリスは、予知能力をもっている。それは自分に関わる2分先の未来が見える、という限定的な能力。普段の生活ではそれを隠し、マジシャンの収入とカジノのカードゲームのあがりで淡々と暮らしている。ある日クリスの能力に目をつけたFBIの女性捜査官カリーが、核爆弾テロを阻止する協力要請のため、彼のもとへのりこむ。一方クリスは、これまでに何度も脳裏をよぎってきた美しい女性とダイナーで出会う。

ニコラス・ケイジ、ジェシカ・ビール

映画化にあたり、時代設定を未来から現代に変更し、ラブロマンスの要素を加味していったとのこと。映画ではラスト近くのクライマックスに平凡な面があるものの、そこで終わらせずに続きをきちんと示唆していくため、それなりに楽しめる仕上がりだ。

見どころはなんといってもアクション。1週間以上かけたという山の急斜面のシーンでは、ニコラス本人が急勾配を駆け下り、その後ろから大きな障害物が次々と落下。CGだろうとわかってはいても、なかなかの迫力だ。今回のアクションにはモダンダンスの振付を取り入れたそうで、銃弾をよけるケイジの動きは“マトリックス”めいていてちょっと面白い。

ニコラス・ケイジ

ケイジは本作で主演とプロデュースを手がけ、激しいアクションを熱演。いつもどおりのタフガイぶりでみせてくれる。ムーアは目的のためには手段を選ばない女性捜査官をクールに、ビールはクリスの運命の女性リズを明るく快活に演じている。クリスのよき友人アーヴ役で名優ピーター・フォークが出演。またケイジの妻アリス・キム・ケイジがカメオとして映画に初出演しているとのこと。

もともと個性派としてアクション作品の出演が多いものの、最近とみにアクションやスリラーが続いているケイジ。そういえば共演のムーアもSFやパニックものの出演が増えている。わかりやすいアクションや頭の体操になるサスペンスもいいけれど、そろそろ人間らしい深みのあるケイジやムーアが観たい。人の内面が微妙に変化していく様や、しみじみとした精神世界を表すことのできる実力をもつ、魅力的な俳優なのだから。

作品データ

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公開 2008年4月18日公開
日劇1ほかにて全国ロードショー
制作年/制作国 2007年 アメリカ
上映時間 1:35
配給 ギャガ・コミュニケーションズ
監督 リー・タマホリ
脚本・製作総指揮 ゲイリー・L・ゴールドマン
脚本 ジョナサン・ヘンズリー
ポール・バーンバウム
原作 フィリップ・K・ディック
出演 ニコラス・ケイジ
ジュリアン・ムーア
ジェシカ・ビール
ピーター・フォーク
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
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