キャリーが遂にビッグと結婚 !?
あれから4年、彼女たちのその後とは。
NYを舞台に大人の女性たちの恋や生活を描く
TVシリーズの終了から4年。SATCが遂に映画化し、あの4人がスクリーンに登場。ハッピー・エバー・アフターのその後は? 出演はサラ・ジェシカ・パーカー、キム・キャトラル、クリスティン・デイヴィス、シンシア・ニクソン、監督・脚本・製作はマイケル・パトリック・キング、衣裳はパトリシア・フィールド。TVシリーズのキャスト&スタッフが結集し、製作費も手間もたっぷりかけてゴージャスに。4人の女性たちがNYを舞台に、恋や生活にそれぞれが抱える悩みや喜びを描く、いわゆる“SATC”ストーリーである。
あれから4年。キャリーは新聞の連載コラムをやめて3冊のベストセラー本を出版。NYで名の知れたコラムニストに。微妙な関係だった理想の男ビッグとも順調に続いている。養子をとって母親になったシャーロット、恋人スミスのマネージメントをしながらLAで暮らすサマンサ、弁護士を続けながら小さな息子や義理の母の世話をして、生活に追われ気味のミランダ。4人は相変わらず食事や外出を一緒に楽しんでいる。そんな折、キャリーとビッグが結婚することに。三度目の結婚であるビッグが地味婚を望んでいたものの、キャリーの仕事がらみで予定外に盛大な結婚パーティをすることになる。
’04年のTVシリーズ最終回から4年後の設定で、その後の彼女たちを描く本作。日本でも“アラフォー(Around40の略。40歳前後の世代)”の女性たちがメディアでしばしば取り上げられる近ごろ。20〜30代で恋愛して、結婚もしくは別の選択をし、社会的な立場がそれなりにあるキャリーたちは、まさにアラフォー。一度は頓挫したというSATCの映画化が今こうして実現したのは、時代のニーズと合ったためだろう。
衣装や小物はもちろんゴージャス。デザイナーにしてスタイリストのパトリシア・フィールドが、世界のメゾンから取り寄せた1000着以上の最新コレクション、数百万のジュエリーや味のあるヴィンテージなど、すべてのシーンではなやかなファッションが目を引く。また注目は、一流デザイナーたちが特別に制作したオリジナルのウェディングドレス。劇中ではヴェラ・ウォン、キャロライナ ヘレラ、クリスチャン・ラクロワ、ランバン、クリスチャン・ディオール、オスカー・デ・ラ・レンタのドレスをキャリーが次々と着るシーンも。なかでもキャリーが選ぶヴィヴィアン・ウェストウッドのドレスは上品でいてモダン。本当に美しい。また、TVではセットの撮影が多かったものの、映画はNYに実在する店や施設で撮影されたとのこと。結婚式の会場となるニューヨーク国立図書館、ジミー・チュウのブティックやソーホーのフレンチ「Raoul's」など、NYのホットスポットが楽しめるのも面白い。
パーカー、キャトラル、デイヴィス、ニクソンらがそれぞれの役を好演しているのは言わずもがな。以前と比べて大人感はあるものの、SATCファッションをフル装備した姿はさすがに4人とも格好いい。キャリーの助手ルイーズ役は、『ドリームガールズ』のジェニファー・ハドソン。恋愛やブランド物、NYライフに憧れつつも仕事はきっちりこなす助手役をフレッシュに演じている。
はなやかなファッションやアイテムに彩られた、40代のリアルを描くエピソードのコラージュ。2時間24分の上映は少し長すぎるように感じるし、1本の映画としては物足りなさが否めない。が、TVシリーズのファンや、ファッションマニアにはトリビアネタが満載で楽しめるはず。映画としての価値云々より、有無を言わさぬほどの確立された世界観。それはそれで素晴らしい。キャストとスタッフの尽力によって明確なコンセプトに貫かれ、花火さながらドッカーンと盛大に打ち上げられた本作。彼女たちには一生攻めていって欲しい。そんな風にまぶしく眺めることのできる、きらびやかなアラフォー・ムービーである。
公開 | 2008年8月23日公開 日劇3ほか全国東宝洋画系にて全国ロードショー |
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制作年/制作国 | 2008年 アメリカ |
上映時間 | 2:24 |
配給 | ギャガ・コミュニケーションズ |
監督・脚本・製作 | マイケル・パトリック・キング |
衣装デザイナー | パトリシア・フィールド |
出演 | サラ・ジェシカ・パーカー キム・キャトラル クリスティン・デイヴィス シンシア・ニクソン クリス・ノース ジェニファー・ハドソン |
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