そんな彼なら捨てちゃえば?

恋の思い込みや勘違いにビシッとツッコミ。
全米ベストセラーの恋愛指南書を基に映画化した
5人の女と4人の男たちが織り成す恋愛群像劇

  • 2009/07/24
  • イベント
  • シネマ
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“かつてない恋愛バイブル”と評され、全米に社会現象を巻き起こした200万部超の’04年のベストセラーを基に映画化。原作は、人気TVシリーズ『SEX AND THE CITY』の脚本スタッフであるグレッグ・ベーレントとリズ・タシーロの共著による恋愛指南書『He's Just Not That Into You』。出演は監督や脚本家としても評価されているベン・アフレック、TVや映画で活躍しているジェニファー・アニストン、オスカー女優のジェニファー・コネリー、コケティッシュな魅力を放つスカーレット・ヨハンソン、清潔感のある女優ジニファー・グッドウィン、本作でも製作総指揮を手がけるドリュー・バリモアら有名女優がズラリ。少々イタいガールズトークも満載、恋愛における勘違いや思い込みの数々をお笑いのツッコミさながらズバッと指摘。アメリカのボルティモアを舞台に、5人の女と4人の男が織り成す恋愛群像劇である。

会社の同僚であるジジ、ジャニーン、ベスは、恋愛をはじめプライベートな相談を何でもできる友人同士。失恋を繰り返して彼氏のいないジジは、ジャニーンから紹介された不動産業者のコナーに一目惚れ。が、初デート以降、彼からの連絡が途絶えてしまう。ジジはひょんなことからコナーの友人であるバーのオーナー、率直な青年アレックスと知り合う。男の心理を全く理解していないジジにアレックスは、「彼が電話してこないのは、君に気がないからさ」と、サラリと助言。一方、結婚しない主義の恋人ニールと同棲7年目のベスは、業を煮やして彼との同棲を遂に解消。弁護士の夫と堅実な生活を送っているはずのジャニーンにも彼女が知らないだけで、夫ベンが金髪美人と浮気、という現実があった。

ジェニファー・アニストン

内容的には軽めのラブコメだが、ポイントポイントで観る側に独自の恋愛ハウツーを通信教育のビデオのように投げかけてくるところがユニーク。監督は映画『旅するジーンズと16歳の夏』やTVシリーズ『The Office』など群像劇を得意とするケン・クワピス。彼は「僕はあの中の1人じゃない。あの全員が僕だ。彼ら全員の気持ちが分かる」と語るほど入れ込み、製作のナンシー・ジュボーネンは「どの女性も当然のように自分は例外、『私だけは特別』と思い込んでいる。でもほとんどの場合、それは幻想なの。私たちはそれぞれが誰かにとって特別な存在だけど、それは万人にとってそうではないのよ」とコメントしている。

ドリュー・バリモア

女性にとって理想的なパートナーでありながら、結婚しない主義のニール役はアフレックがソフトな印象で、ニールと別れて新しい道を模索するベス役にアニストン、夫ベンとマンネリの仲で自宅の改装に没頭しているジャニーン役にコネリー、ベンの浮気相手アンナ役にヨハンソン、アンナの友人で、ネットで恋人探しをするメアリー役にバリモアがそれぞれに好演。そして猪突猛進型で恋愛に失敗し続けているジジ役は、グッドウィンが気恥ずかしいエピソードの数々をストレートな演技で披露。ジジにアドバイスをするアレックス役はジャスティン・ロングが演じ、コントのツッコミのような小気味いいタイミングで恋愛指南をビシッと入れる間合いも面白い。

ジェニファー・アニストン、ベン・アフレック

「男と女に関しては、単純で明らかな答えなんてものはない。映画を観た人たちが、キャラクターの選択について疑問をもってくれるといいね。何よりも嬉しいのは、映画館を出たあとで友達とコーヒーでも飲みながら、キャラクターの誰かの選択について異議を唱えてくれることだよ」とクワピス監督が語る本作。原題の『He's Just Not That Into You(彼はあなたに興味がない)』は直訳だと日本の女性たちに拒否されると思ったのか、邦題では女性優位な言い回しで表記の通りに。そして製作のジュボーネンは本作の本質について、丁寧に説明する。「『彼はそれほどあなたが好きではない』というのは、人を落ち込ませる言葉ではなく、助けになるはずの言葉。あなたを本気で好きではない、すばらしいと思っていない誰かと一緒にいたくはないでしょう? あなたを心から好きで、最高だと思う人が必ずどこかにいるのだから」。恋愛に惑う女性たちへ率直なアドバイスと希望を届ける、現代的なラブコメディなのである。

作品データ

そんな彼なら捨てちゃえば?
公開 2009年8月1日公開
丸の内ピカデリーほか全国ロードショー
制作年/制作国 2009年 アメリカ
上映時間 2:10
配給 ワーナー・ブラザース映画
監督 ケン・クワピス
製作 ナンシー・ジュボーネン
原作 グレッグ・ベーレント、リズ・タシーロ
脚本 アビー・コーン、マーク・シルバースタイン
出演 ベン・アフレック
ジェニファー・アニストン
ドリュー・バリモア
ジェニファー・コネリー
ジニファー・グッドウィン
スカーレット・ヨハンソン
ケビン・コノリー
ブラッドリー・クーパー
ジャスティン・ロング
クリス・クリストファーソン
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
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