トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン

製作総指揮スティーブン・スピルバーグ×監督マイケル・ベイ
日本で生まれ、ハリウッドで成功した人気シリーズの最終章
アクロバティックなアクションを3Dで描く娯楽大作

  • 2011/07/22
  • イベント
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トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン© 2011 PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved. HASBRO,
TRANSFORMERS and all related characters are trademarks of Hasbro.
©2011 Hasbro. All Rights Reserved

製作総指揮スティーブン・スピルバーグ、監督・製作総指揮マイケル・ベイ。自在に変形する地球外生命体トランスフォーマーが活躍する人気シリーズが、最終章で初の3Dにて公開。出演はシリーズ3作を通しておなじみのシャイア・ラブーフ、ジョシュ・デュアメル、タイリース・ギブソン、ジョン・タトゥーロ、新ヒロインのロージー・ハンティントン=ホワイトリー、新たなキャストとして実力派のパトリック・デンプシー、ジョン・マルコビッチ、フランシス・マクドーマンドほか。地球を防衛する側と侵略する側にわかれて敵対するトランスフォーマーらの激しい攻防戦、防衛側のトランスフォーマーたちと親しく交流するサムの成長、そして月面着陸に隠された謎とは? 最新技術によるVFXを駆使した映像で惹きつける、大がかりなエンターテインメント大作である。

地球防衛に尽力するトランスフォーマー、オプティマス率いるオートボットたちは、アメリカ国家に認められ、軍隊と連携して世界各地を見回り警備する任務に就く。一方、サムは大学を卒業するも就職が決まらず、以前の彼女ミカエラにはフラれ、新しい恋人カーリーの部屋に住みついている。ある日、サムは面接を受けに行った会社で、オフィス機器になりすましていた金属生命体が激しく暴れだし、人間に襲いかかる場面に遭遇。ディセプコン率いるメガトロンが大きな戦いを仕掛けてきたことを知る。その裏には、1969年のアポロ11号による月面着陸で、極秘としてアメリカ政府が隠した、ある事実があった。

シャイア・ラブーフ、ロージー・ハンティントン=ホワイトリー

とにかく映像で楽しむカラッとした娯楽作。親分肌のリーダーのオプティマス、イエローのカマロに変身するシャイな性分のバンブルビーなど、おなじみのオートボットたちが死闘を繰り広げる。エンディング・テーマにはリンキン・パークの「イリディセント」の清々しいメロディが響き、前2作に続くコラボレーションとして今回もヒットが期待されている。

’07年の第1作、’09年の第2作に続き、本作でサム役を演じたラブーフは、さえない状況を打破できないでいる青年として、煮え切らない感じを表現。カーリー役を演じたロージーは、ブロンドでグラマーなわかりやすい新ヒロインに。初の大作で演技経験もほとんどなく、インパクトにはかけるものの、“男好きする”ヒロインとしてのポイントは押さえられている。シリーズ3作を通して出演しているレノックス大尉役のデュアメルと空軍を退役したエップス元軍曹役のギブソンは軍人らしく、元セクター7捜査官のセイモア役のタトゥーロはコミカルに好演。資産家の会社社長ディラン役にデンプシー、サムが入社面接を受ける会社の副社長役にマルコビッチ、アメリカの国家情報局長官役のマクドーマンドが脇を固め、ドラマ部分を支えている。アメリカの大物キャスター、ビル・オライリーが本人役でカメオ出演も。また個人的に「とうとうこんな大作にも!」と思ったのは、サムを追い回す会社員ワン役を演じたケン・チョン。映画“ハングオーバー!”シリーズの2作を通じて、謎の中国系アメリカ人として出演しているあの彼だ。コメディ俳優としてやりすぎ感たっぷりのクドいインパクトが嫌いじゃない人も多いのでは。本作に彼の芸風がハマッているかどうかはともかく、失笑を誘うテイストには不思議となごむものがある。

トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン

ヒロインの交代については、映画の中でもその理由を匂わせるセリフがさりげなく。第2作までヒロインのミカエラ役を演じ、ブレイクを果たしたミーガン・フォックスは本作の撮影直前に降板。本人は自ら降板したとしているが、今回のヒロイン交代劇についてベイ監督が雑誌『GQ』のアメリカ版’11年7月号でコメント。ミーガン・フォックスが’09年にイギリスの雑誌『Wonderland』のインタビューで、ベイ監督を「撮影現場ではヒトラーみたい」と発言し、ベイ監督本人は彼女のキャラクターからくるものとして気にしておらず、寛容に受け流したものの、ユダヤ人であるスピルバーグの逆鱗に触れ、キャストの交代が決定したそう。スピルバーグ御大に睨まれた若手女優となったフォックスの先行きが気になるところだ。一方、新ヒロインのロージーは本作でメジャー映画デビュー。彼女は貴族の血を引く由緒正しい家柄のイギリス人で、バーバリーやラルフ・ローレンなどのトップブランドでモデルとして活躍。アメリカではランジェリーブランド、ヴィクトリアズシークレットの契約モデル=セクシーでキレイなお姉さんとしても知られ、今回の大抜擢に。現在ロージーには映画のオファーが殺到しているという噂も。新旧ヒロインの明暗が大きくわかれたことも話題となっている。

トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン

撮影は各地にて。市街戦のシーンはシカゴ、カーチェイスはワシントン、後半の重要なシーンはケープ・カナベラルにあるスペースシャトル基地で行われ、VFXによってアメリカの街でトランスフォーマーや軍隊が激戦を繰り広げる様が派手に描かれている。撮影時はロケ現場でも映画『アバター』で使用された3Dカメラを使用し、製作には特殊効果と視覚効果を手がける一流のスタジオILM(Industrial Light & Magic)のスタッフを数百人規模で動員。ベイ監督は当初3Dで撮るつもりはなかったものの、スピルバーグやジェームズ・キャメロンに説得され、監督自身も3Dを約1年かけて勉強し、本作に3D撮影を採用したとのこと。また監督はこの映画では、大きな危機に人々が団結して立ち向かうことを描いているとも。’11年7月、大阪に本作のプロモーションで来日した監督は、「3月11日の震災に心を痛めていました。ニュースで日本国民の勇気や勇敢さ、粘り強さをみました。真の英雄は被災地でがんばっている方々だと思っています。6年間、このシリーズにすべてを費やして一生懸命作ってきました。『トランスフォーマー』は日本発祥で、日本がなかったら存在しなかった。本当に感謝しています!」とコメントしている。ド派手な3D映像が楽しめる夏休みのハリウッド大作。アトラクションを体験する感覚で試してみてはいかがだろう。

作品データ

トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン
公開 2011年7月29日公開
TOHOシネマズ日劇ほかにて全国ロードショー
制作年/制作国 2011年 アメリカ
上映時間 2:34
配給 パラマウント ピクチャーズ ジャパン
原題 Transformers: Dark of the Moon
監督・製作総指揮 マイケル・ベイ
製作総指揮 スティーブン・スピルバーグほか
脚本 アーレン・クルーガー
出演 シャイア・ラブーフ
ジョシュ・デュアメル
ジョン・タトゥーロ
ロージー・ハンティントン=ホワイトリー
パトリック・デンプシー
ジョン・マルコビッチ
フランシス・マクドーマンド
ケン・チョン
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
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