アメイジング・スパイダーマン

両親のいない内気な青年が、蜘蛛にかまれてヒーローに!
初恋や家族模様の描写で、おなじみの物語のドラマ性がUP
新たなスタッフ&キャストによる新シリーズ第1弾

  • 2012/06/22
  • イベント
  • シネマ
アメイジング・スパイダーマン©2012 Columbia Pictures Industries, Inc. MARVEL, and all Marvel characters including the Spider-Man character ™ & ©2012 Marvel Characters, Inc. All Rights Reserved.

スタッフもキャストも新たに、フレッシュなメンバーによるスパイダーマン新シリーズ第1弾。出演はたくさんの人気俳優が志望するなか、オーディションで選抜された『ソーシャル・ネットワーク』のアンドリュー・ガーフィールド、『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー』でも注目の若手女優エマ・ストーン、『ノッティングヒルの恋人』のイギリス人俳優リース・イーヴァンズほか。監督は『(500)日のサマー』に次いで本作が長編2作目となるマーク・ウェブ。両親がおらず、伯父夫婦に育てられたピーターは、目立たない高校生。ある日、失踪した父の知人をたどって訪れた研究所で蜘蛛にかまれ、強靭な肉体と特殊能力を得る。爽快なアクションとよく知られるストーリーにより現代らしさと人情味を加え、初恋や父への思いなどのドラマ性を高めたストーリーである。

幼いときに両親が謎の失踪をとげ、 伯父夫婦のもとで育った高校生ピーター・パーカー。あるとき父が残したブリーフケースに重要な研究資料を見つけたピーターは、父の研究パートナーだったコナーズ博士のもとを訪ねる。その組織では、同じ高校でピーターが密かに思いを寄せる優等生のグウェンが、研修生として働いていた。

“シリーズ初の3D”である本作。『MIB3』然り、人気シリーズが3Dに、というハリウッドの流れのひとつだ。監督は「実際に空を飛ぶ感覚に限りなく近いよ、3Dのスペクタクルだ」と語り、アクションのみならず、3Dは観客を物語に引き込むための手段のひとつとも。「3Dのおかげで親密なシーンもさらに親密になり、感動的な場面が一層感動的になる。主人公が体験していることを観客にも体験させたい。そのためには感情面の体験もあれば、身体的な体験もある。3Dはそういう形で活かすことのできるツールだ。今回3Dで撮影できたことは最高の選択肢だった」。

アンドリュー・ガーフィールド

ピーター役のガーフィールドは、成績のいいおとなしい青年が特殊能力を得るさまを、4ヶ月のトレーニングを積んで体現。伯父夫婦を慕い感謝しながらも、失踪した両親のこともあり他者と積極的に関わろうとはしないティーンネイジャーから、1人の人間としての役割や責任感に目覚めてゆくさまを熱心に演じている。彼は3歳の時からスパイダーマンのファンだったそうで、「プレッシャーは大きかったものの、真摯に取り組みました。前3作は素晴らしかったですし、キャラクターを継ぐことを俳優としてとても光栄に思っています」とコメントしている。グウェン・ステイシー役はストーンがくっきりと演じ、愛する彼のサポートをするため自ら行動する現代的な女性として表現。そして“弱者のいない世界”を目指すコナーズ博士役は、イーヴァンズが悲哀と憤りの葛藤を演じ、深みのあるキャラクターに。ベンおじさん役はマーティン・シーン、メイおばさん役はオスカー女優のサリー・フィールド、グウェンの父ステイシー警部役はデニス・レイリー、失踪したピーターの父親役はキャンベル・スコットと、演技派が脇を固めている。

物語にはピーターの“父親探しから自分探しの旅へ”という流れがあり、ピーターとグウェンの初恋も丁寧に描写。グウェンはスパイダーマンにではなく素のピーター本人に恋をして、2人は互いを信頼し合い、困難な状況にともに挑んでいく。このあたりは前シリーズのヒロイン、メリー・ジェーン(MJ)とはだいぶ違う。本作のグウェンは、女性として観ていて気持ちのいい人物だ(『スパイダーマン3』に登場したグウェンとは異なるキャラクター)。そして初恋のもどかしさや家族模様など、繊細なドラマ性にウェブ監督の持ち味が生きている。

ウェブ監督はミュージック・ビデオの監督からキャリアをスタートし、ファーギーやマイ・ケミカル・ロマンス、そして各種CMなどの映像を制作。’09年にグリーン・デイズの「21Guns」でMTV最優秀監督賞を受賞するなどの受賞歴も。今回、長編2作目で人気作の新シリーズに抜擢されたことについて、ウェブ監督は語る。「プレッシャーは大きかったですが、それよりも17歳の頃の自分に戻って、やっと夢がかなったという気持ちの方が大きかったです。本作は1人の若者の映画だと思っています。彼の個人的な旅路を描くことで、大がかりなアクションも現実的に感じられると考えました。素晴らしいスタッフやキャストと協力して制作していくことは、毎日が光栄な気持ちの連続でした」。

エマ・ストーン、アンドリュー・ガーフィールド

見どころはやはり、ビルの合間を立体的に跳んでいく“スパイダー・スウィング”。例の動きを3Dでみるのはなかなか楽しい。個人的に沁みたのは、単独行動で警察からも追われるスパイダーマンが、たくさんの市民たちに支えられる、というエピソード。ニューヨークらしい光景が生かされ、人情モノの土臭い感じがあったかくて好い。ガジェット面はスパイダー・スーツの赤と青の配色や蜘蛛のデザインなどのデザインが変わり、両手首には強靭な蜘蛛の糸を発射する「ウェブ・シューター」を装着。ピーターがタイツを手縫いするシーンなどは、ヒーローの舞台裏にある等身大の青年の姿としてユーモアも。

アメイジング・スパイダーマン

本作の日本公開は6月30日で、本国アメリカより3日早い“世界最速公開”。さらに6月23日、24日に3D限定先行上映もあり、世界のどこよりも早く本作の観客になる、というのも一興だ。1962年にマーベル・コミックで初めてスパイダーマンが登場してから50周年を迎えた2012年。新シリーズの公開前に、その続編の全米公開がすでに2014年5月2日に決定したという情報も。ピーターの両親が失踪した理由は? 終盤に現れる謎の男とは? 始まったばかりの新シリーズがどう展開していくか。今後も注目していきたい。

作品データ

アメイジング・スパイダーマン
公開 2012年6月23日、24日世界最速3D限定先行上映(一部劇場を除く)
2012年6月30日よりTOHOシネマズ日劇ほか世界最速3D公開
制作年/制作国 2012年 アメリカ
上映時間 2:16
配給 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
原題 The Amazing Spider-Man
監督 マーク・ウェブ
脚色 ジェームズ・ヴァンダービル
アルヴィン・サージェント
スティーヴ・クローヴス
原案 ジェームズ・ヴァンダービルト
原作 スタン・リー
スティーブ・ディッコ
出演 アンドリュー・ガーフィールド
エマ・ストーン
リース・イーヴァンズ
マーティン・シーン
サリー・フィールド
デニス・レイリー
キャンベル・スコット
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
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