ダークナイト ライジング

クリストファー・ノーラン監督×クリスチャン・ベール主演
ダークナイトシリーズ完結編に、実力派俳優が続々登場
ブルースの葛藤と成長、バットマン最後の戦いを描く

  • 2012/07/20
  • イベント
  • シネマ
ダークナイト ライジング© 2012 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC. AND LEGENDARY PICTURES FUNDING, LLC

監督クリストファー・ノーラン、主演クリスチャン・ベールによるダークナイト(闇の騎士)シリーズ3部作が完結。出演はオスカー俳優のベール、『プラダを着た悪魔』のアン・ハサウェイ、『インセプション』のトム・ハーディー、『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』でオスカーを受賞したマリオン・コティヤール、自身で脚本や監督も手がけるジョゼフ・ゴードン=レヴィット、そしてシリーズ作のレギュラーメンバーとして、アカデミー賞を2回受賞しているベテランのマイケル・ケイン、個性派俳優のゲイリー・オールドマン、『ミリオンダラー・ベイビー』でオスカーを受賞したモーガン・フリーマンほか。ボブ・ケインによるアメリカン・コミック『バットマン』のキャラクターにもとづき、ノーラン監督とデイビッド・S・ゴイヤーが原案を作り、ノーラン監督と弟のジョナサン・ノーランが脚本を執筆。信念のもと徹底して冷酷な最強の敵ベインが、バットマンに執拗に攻撃を仕掛ける。青年ブルースの葛藤と成長、大がかりなアクションで惹きつけるハリウッド大作である。

ゴッサム・シティにて、復讐心からトゥー・フェイスとなった地方検事ハービー・デントをバットマンが葬り去ってから8年。ハービーは正義の象徴として伝説となり、制定された“ハービー法”で街には平和が訪れ、バットマンは殺人者として指名手配に。ブルースは愛するレイチェルを亡くしたことも受け入れられず、自室に引きこもって隠遁生活を送っていた。そんな折、キャットウーマンことセリーナ・カイルがブルースの金庫から母の真珠のネックレスをあざやかに盗みだし、残忍なテロリストの一味が証券取引所に立てこもる事件が起きる。

濃厚なドラマと迫力のアクションで魅せる、人気シリーズの最終章。’05年の『バットマン・ビギンズ』、’08年の『ダークナイト』、そして本作で完結を迎えたことについて、ノーラン監督は語る。「この壮大なストーリーを完結させられるかと思うと、僕たちはとても興奮した。それがこの3作目にとりかかる上での主な動機だったんだ。それにしても、最初の2作にもとづく観客の期待に充分に応えながらも、これまで彼らが見たことのない何かを提供しなければならないという点では、非常に大きな責任を感じたよ。そのバランスをとるのは簡単ではなかった」。

クリスチャン・ベール、アン・ハサウェイ

ベールは人生に惑うブルース・ウェインと、暴走する悪の抑止力として復帰するバットマン、その両面を熱心に好演。重めで繊細な感情と激しいアクション、そのどちらもしっかりと表現されている。キャットウーマン役のハサウェイは、美しいボディラインが強調される黒のボディスーツに身を包み、しなやかなアクションもほとんど自らこなしたとのこと。マスクをつけた強靭なテロリストのベイン役はハーディーがタフに、裕福な慈善家ミランダ役はコティヤールがくっきりと、正義感の強い新米刑事ジョン・ブレイク役はレヴィットが生き生きと演じている。またブルースの執事アルフレッド役にケイン、ゴードン市警本部長役にオールドマン、フォックス役にフリーマンと、シリーズを通じてブルース=バットマンを見守りサポートする父親のようなキャラクターたちも相変わらず活躍している。

バットマンとベインの直接対決など見どころはいろいろあるなか、個人的に一番痛快に感じた場面は、巨大なトラックタイヤを装備する二輪車“バッドポッド”でバットマンやキャットウーマンが街を疾走するシーン。あのマシンは実際に走るそうで、バッドマンとしてプロのスタント・ライダーであるジャン=ピエール・ゴイが、キャットウーマンとしてはプロのモトクロス・レーサーで、女性スタント・ライダーのジョリーン・ヴァンヴュットが颯爽と乗りこなし、そのみごとな操縦ぶりに目を奪われる。ガジェットの面では、戦闘ヘリコプターやハリアー・ジャンプジェット機の要素を取り入れたという“バット”がバットマンの新兵器として派手に登場している。

本作でノーラン監督は、長編大作映画としては史上初といわれるほど、多くのシーンでIMAXカメラによる撮影を採用。超高解像のフィルムと大型カメラで映画の半分近くを撮影したそうだ。監督は語る。「僕が興味あるのは、IMAXカメラによる撮影をストーリーテリングのツールとしてどう役立たせるか、という点なんだ。観客をいかに僕たちの世界により深く引き込めるか。IMAXは最高に臨場感あふれる環境を作り出し、存在するスクリーンの中でもっとも大きなカンバスを提供してくれる」。

クリスチャン・ベール

“ダークナイト”シリーズ3部作の完結について、ベールは語る。「僕にとって、このキャラクターを演じることは大きな意味があったので、最後にあのマスクをはずしたときはとてもほろ苦い気持ちになったよ。あの伝説的なキャラクターを演じる名誉を痛感していたから。そして、今でも心の底から誇らしく思わずにいられない」。そしてノーラン監督は、「ブルース・ウェインのストーリーが70年以上にわたって人々の心を動かし続けてきたのは、それがすばらしいストーリーだからだ。これら3本の映画を通して、この伝説に対する自分たちなりの解釈をスクリーン上で描けて本当にうれしかった。このシリーズに携わったことは、極めて満足感のある体験だった。この結末を僕たちはとても誇りに思っているし、観客とこの興奮を分かち合えることを願っている」とコメントしている。

トム・ハーディ

最後の壮絶な戦いを経て、ラストに未来への布石が示される本作。誰もが自らの信念と思いのままにつき動かされていく、という展開は、観ていてある意味とてもスッキリする感覚も。挫折、失望、出会い、因縁、裏切り、対決、そして……彼らがそれぞれに見出す道とは? “バッドポッド”で闇を縫って風をきり、2時間45分にわたる心の旅をブルース=バットマンとともに疾走するのも一興だ。

作品データ

ダークナイト ライジング
公開 2012年7月28日公開
丸の内ピカデリーほか全国ロードショー
制作年/制作国 2012年 アメリカ
上映時間 2:45
配給 ワーナー・ブラザース映画
原題 THE DARK KNIGHT RISES
監督・製作・脚本 クリストファー・ノーラン
脚本 ジョナサン・ノーラン
原作 ボブ・ケイン
出演 クリスチャン・ベール
マイケル・ケイン
アン・ハサウェイ
トム・ハーディー
マリオン・コティヤール
ジョゼフ・ゴードン=レヴィット
ゲイリー・オールドマン
モーガン・フリーマン
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
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