ダイ・ハード/ラスト・デイ 試写会日記 毎週、熱田美希から映画ファンの皆さんへ熱いメッセージ!傑作でも愚作でも、映画ってやっぱり素敵!!
ダイ・ハード/ラスト・デイ

© 2013 Twentieth Century Fox.

ド派手なアクションに父子のドラマもしっかりと
シリーズ初の海外を舞台にマクレーン父子が大バトル!
世界一ツイてない男たちの死闘を描くアクション大作

 世界一ツイてないボヤき親父が今度はロシアで! 出演はジョンを演じて25年のブルース・ウィリス、『アウトロー』の出演でも注目のジェイ・コートニー、『善き人のためのソナタ』のドイツ人俳優ゼバスチャン・コッホ、ロシア出身のモデルで女優のユーリヤ・スニギル、『96時間』のセルビア人俳優ラシャ・ブコヴィッチほか。監督はCMで認められ映画監督として活躍する『マックス・ペイン』のジョン・ムーア。期待通りのわかりやすい派手なアクションに、父子の人情ドラマもしっかりと。シリーズ初の海外を舞台にマクレーン父子の奮闘を眺める、シンプルなアクション・ドラマである。

 NY市警のベテラン刑事ジョン・マクレーンは、息子のジャックがロシアで警察に身柄を拘束された、という一報をうける。長らく疎遠だった息子を案じたジョンは、休暇をとってモスクワへ。渋滞で時間に遅れながらも裁判所へ向かって歩いてゆくと、建物が何者かにより爆破。ジョンが混乱のなかジャックをさがす一方、当のジャックはロシアの大物政治家と対立して投獄された男コマロフを保護し、移動しようとバンにのりこんでいた。が、ジャックのバンを見つけたジョンが強引によびとめ、コマロフを狙う追手に見つかり、大混乱の事態に――。

 オープニングがどこか007ふうである理由は、みてのおたのしみとして。ジャックは何年も会っていなかった親父が突然現れて邪魔をしたと憤慨。ジョンは息子のことを何も知らなかったこと、またしてもトラブルの渦中にハマッたことをぼやきつつ、マクレーン父子はロシアの悪辣な陰謀に巻き込まれてゆく。

ブルース・ウィリス、ジェイ・コートニー

 1988年の第1作から25年、市井のいち刑事としてアメリカで変わらずに愛されているキャラクター、ジョン・マクレーン役をウィリスがいい味わいで表現。これまでにテロリストから妻や娘を守り戦ってきた頑固親父が、今回は自分に反発する息子とともに陰謀を打破すべくロシアでぼやきながらも奮起する。息子ジャック役はコートニーが演じ、仕事人間で家族を顧みることのなかったジョンに対する反発と、絶体絶命の危機にあっさりと対処するタフさを目の当たりにし、徐々に父を見直していく変化を好演している。日本でいう太郎と次郎のように、アメリカ人を代表する昔ながらの名前で、そのありふれた感じにまた親しみをおぼえるジョンとジャック。次第に認め合いバディとなってゆく、タフすぎる父子の関係もよく描かれ、激しい爆破や銃撃戦の合間にほのぼのとした雰囲気も。前作に登場したジョンの娘でジャックの姉ルーシー役のメアリー・エリザベス・ウィンステッドも前半の1シーンに出演している。ロシアの犯罪者から内通者となったコマロフ役はコッホが落ち着いた様子で、悪徳政治家が放つ部下アリク役はブコヴィッチが濃いめに演じ、謎の美女イリーナ役はスニギルがエキゾティックな魅力で花を添えている。

 ムーア監督はアクション大作の原型のひとつとなった第1作を称え、「ブルースは『ダイ・ハード』で、ビルから飛び降り、ガラスを突き破り、あらゆることを実際にやって、25年前に基準を確立した。我々もリアルに撮影し、大々的で楽しいアクションをつくるという義務を果たしたいと思ったんだ」とコメント。アクションはどれも見ごたえがあるなか、とくに注目はカーチェイスのシーン。メルセデス・ベンツ社より数百万ドルの車やトラックが寄付され、ジャックとコマロフがスプリンターのバンで逃走し、マリクの一団が特注のMRAP(耐地雷の待ち伏せ防護)車で追跡し、そのあとをジョンが頑丈な多用途車で軍用車のウニモグや、GLシリーズのSUV車で追尾するシーンに登場。アメリカ人らしい大ざっぱなラフ・プレイ、行き当たりばったりで荒業をかるがるとやってのける豪気さはいかにもジョン・マクレーンらしく痛快だ。カーチェイスのシーンについて監督は語る。「このシークエンスの撮影には82日間かけた。ハイウェイや狭い街の通り、橋を渡りながら、何十台もの高級車を破壊したんだ。まさに桁外れのスケールだよ」。

ブルース・ウィリス、ジェイ・コートニー

 2013年1月31日(現地時間)、『ダイ・ハード』25周年を記念してL.A.にある20世紀フォックス撮影所の歴史的な防音スタジオの壁に、第1作目のジョン・マクレーン刑事の巨大壁画(幅45m、高さ12m以上)が登場したことも話題に。除幕式でウィリスは、「20世紀フォックスにこれまで見たこともないほど大きな壁画を作ってもらいました。本当に嬉しいです。このスタジオの小さなステージから仕事を初めて、どんどん大きな仕事をさせてもらいました。25年に渡って『ダイ・ハード』シリーズを楽しませてもらいました。みなさん本当にありがとうございます」とコメントしたそうだ。

 本作のタイトルからすると“最後”のイメージもあるものの、6作目の製作をすでに企画している、とウィリス本人がイギリスのテレビ番組で語ったとも。今年で58歳、スタントマンを交えつつ自らもアクションをこなすウィリスが、第6作ではどこまでやってくれるのか。全米に愛されるぼやき親父の活躍はつづく!

『ダイ・ハード/ラスト・デイ』
2013年 アメリカ映画
データ
2013年2月15日更新
ブルース・ウィリス、ジェイ・コートニー
オフィシャルサイト
『ダイ・ハード/ラスト・デイ』

2013年2月14日公開
TOHOシネマズ日劇ほかにて
全国ロードショー

■2013年 アメリカ映画
■上映時間1:38
■20世紀フォックス映画配給
■原題/『A GOOD DAY TO DIE HARD』
■監督/ジョン・ムーア
■脚本/スキップ・ウッズ
ジェイソン・ケラー
■出演/ブルース・ウィリス
ジェイ・コートニー
ゼバスチャン・コッホ
ユーリヤ・スニギル
ラシャ・ブコヴィッチ
メアリー・エリザベス・ウィンステッド
コール・ハウザー




プロフィール
 
あつた美希 あつた美希
あつた美希
フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。