華麗なるギャツビー

レオナルド・ディカプリオ×バズ・ラーマン監督
1920年代のアメリカを代表する小説を映画化
文学を軸にきらびやかな映像と音楽で魅せる大作

  • 2013/06/07
  • イベント
  • シネマ
華麗なるギャツビー© 2012 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved

20世紀のアメリカ文学を代表する小説のひとつと評される、F・スコット・フィッツジェラルドの小説『グレード・ギャツビー』をもとにバズ・ラーマン監督が2D/3Dで映画化。出演は1996年の映画『ロミオ+ジュリエット』に次いでラーマン監督と2度目のタッグとなるレオナルド・ディカプリオ、映画『サイダーハウス・ルール』の実力派俳優トビー・マグワイア、映画『17歳の肖像』で高い評価を得た女優キャリー・マリガン、映画『ゼロ・ダーク・サーティ』のジョエル・エドガートン、本作が長編映画2作目となる22歳の新人女優エリザベス・デビッキほか。1922年のニューヨークが舞台となる原作のストーリーに、パーティーシーンの音楽やダンスなどに現代性を取り入れ、ラーマン監督らしいゴージャスな構成に。実力派のキャストとスタッフが集結して完成した、華やかな映像とサウンドを堪能するエンターテインメント大作である。

1922年、好景気に沸くニューヨーク。突然現れた謎の大富豪ジェイ・ギャツビーは城のような邸宅に暮らし、その絢爛なパーティーにはセレブから遊び人まで街じゅうの人々が集っていた。すぐ隣の敷地の小さな借家に暮らす証券会社勤務のニック・キャラウェイは、親戚に社交界の花であるデイジー・ブキャナンがいるもののごく普通の青年であり、彼らを憧れのまなざしで見つめていた。ある日、ギャツビーから招待状が届いたニックは喜んでパーティーへ。ミュージシャンたちがジャズを演奏しシンガーが歌いダンサーが舞い、ヒップホップの重低音が鳴り響き、ゲストたちはシャンパンを浴びるように飲む。喧噪に圧倒されながらギャツビーとあいさつを交わしたニックは帰り際、ギャツビーと話し込んでいたデイジーの友人で美人ゴルファーのジョーダン・ベイカーから「衝撃の事実発覚!」と告げられる。

キャリー・マリガン、レオナルド・ディカプリオ

彼は創造の情熱に没頭するあまり、あらゆる物を付け加え、自分のほうへきれいな羽根が飛んでくればそれも捕まえて飾りにした――。1925年に出版されたアメリカの作家F・スコット・フィッツジェラルドの代表作を5度目の映画化。ラーマン監督の演出のもと、ティファニーのジュエリー、プラダやミュウミュウ、ブルックス・ブラザーズの衣装、そしてジェイ・Zやビヨンセ、ザ・ブライアン・フェリー・オーケストラほか人気アーティストが参加した音楽がスクリーンを鮮烈に彩っている。

ギャツビー役はディカプリオが原作のキャラクターにより近づけるように注力したとのこと。役作りについてラーマン監督は、「ギャツビーという男は、自分の人生のために自分が書いた脚本を誰にも書き直させようとはしない。それをレオナルドは体現していた」とコメントしている。ニック役はマグワイアが物語の良心としてギャツビーの唯一の友人として好演。マグワイアは実生活でもディカプリオの親友のひとりであり、本作の出演もディカプリオがラーマン監督にマグワイアを引き合わせたことで決まったそうで、劇中でも2人の関係性がリアルに感じられる。ヒロインのデイジー役はマリガンが美しく気まぐれに、デイジーの夫トム役はエドガートンが実利主義の特権階級の人間として、トムの愛人マートル役はアイラ・フィッシャーが肉感的に奔放に、マートルの夫で自動車修理工のジョージ役はジェイソン・クラークが労働者階級の人間として、またギャツビーのビジネスのパートナー、マイヤー役をインドの名優アミターブ・バッチャンが演じている。注目はデイジーの友人の美人ゴルファー、ジョーダン役を演じたデビッキ。すらりとした長身を生かし、新人とは思えないほど颯爽と有名俳優たちと渡りあっている。

トビー・マグワイア、レオナルド・ディカプリオ、キャリー・マリガン、ジョエル・エドガートン

大きなダイヤが光るデイジーの指輪をはじめ、ジュエリーの数々はこの映画のためにティファニーがオリジナルで制作。ギャツビー邸のインテリアとして、磁器やスターリングシルバー製のフラットウェアなどもティファニーのものが使用されている。そして男性の衣装の多くはアメリカの老舗ブランド、ブルックス・ブラザーズと連携し、200着のタキシードからカジュアルな装いまでこの映画用に約2000点以上の衣料品の提供を受けたそう。そもそも原作者のフィッツジェラルドがティファニーとブルックス・ブラザーズの顧客だったそうで、それぞれ4月より映画に着想を得たコレクションが販売されているそうだ。また衣装デザイナーのキャサリン・マーティンはイタリア人デザイナーのミウッチャ・プラダとコラボレーションし、パーティーシーンの女性たちの衣装40点をミウッチャ・プラダがデザイン。劇中のファッションは1922年という設定に縛られすぎず、“20年代”という幅をもたせたなかで仕上げられ、特にデイジーがギャツビーのパーティーに行くシーンでは、プラダがデザインした“シャンデリア”ドレスとファーをまとい、ティファニーの真珠とダイヤモンドのヘッドバンドをあわせたスタイリングに注目だ。

キャリー・マリガン、レオナルド・ディカプリオ

本作を3Dで提供することについてラーマン監督は、ヒッチコックの『ダイヤルMを廻せ!』を3Dで観たときに得た感覚を生かしたとのこと。映像が立体的に飛び出すことより、“(劇中の)その場、その時に(観客が)まさにいるように感じさせたい”と考えたそうで、観ようによってはギャツビーのパーティーに一緒に参加しているかのような気分になれるかもしれない。1922年の夏を舞台に1925年に出版された原作をもとに、1929年の大恐慌を知る由もない時代を描く本作について、監督は語る。「私が思うに、フィッツジェラルドは、’20年代のモラル構造に根本的な亀裂があることを感じていたんじゃないかな。物事がひたすら上昇していく感じだったけれど、それは長続きするはずがないと彼は感じていたと思う。そして、それは2008年の世界規模の金融危機に通じる部分があると私は思った。今考えてみると、その点こそが、私に今、この形で『ギャツビー』をやらなければと思わせた気がするね」。さて、監督は新しい企画として、ディカプリオに『ハムレット』の映画化を提案したという情報も(ロミジュリに次ぐシェイクスピア作品)。まずはレオ&ラーマン監督の2度目のタッグである本作の評判やいかに。

作品データ

華麗なるギャツビー
公開 2013年6月14日公開
丸の内ピカデリーほかにて全国ロードショー
制作年/制作国 2013年 アメリカ
上映時間 2:22
配給 ワーナー・ブラザース映画
原題 THE GREAT GATSBY
原作 F・スコット・フィッツジェラルド
監督・製作・脚本 バズ・ラーマン
脚本 クレイグ・ピアース
出演 レオナルド・ディカプリオ
トビー・マグワイア
キャリー・マリガン
ジョエル・エドガートン
アイラ・フィッシャー
ジェイソン・クラーク
エリザベス・デビッキ
アミターブ・バッチャン
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
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