インデペンデンス・デイ:リサージェンス

あれから20年、再び襲来し地球を総攻撃する奴らを
彼らと次世代の青年たちが力を合わせて迎え撃つ
最新の映像技術×ドラマを楽しむSFアクション大作

  • 2016/07/19
  • イベント
  • シネマ
インデペンデンス・デイ:リサージェンス© 2016 Twentieth Century Fox Film Corporation All Rights Reserved.

1996年の『インデペンデンス・デイ』から20年、ローランド・エメリッヒ監督による続編が完成。出演は、前作から引き続きジェフ・ゴールドブラム、ビル・プルマン、ブレント・スピナー、ジャド・ハーシュ、そして新キャストとして、『ハンガー・ゲーム』シリーズのリアム・ヘムズワース、『イット・フォローズ』のマイカ・モンロー、テレビを中心に活動しているジェシー・アッシャー、『ゴーン・ガール』のセラ・ワードほか。地球の危機を経て連帯した国々は、エイリアンが地上に残した武器や宇宙船から未知のテクノロジーを取り入れ、地球防衛軍(Earth Space Defence:ESD)を結成。この20年で堅固な地球防衛システムを構築してきたが、2016年7月、アフリカに残された宇宙船が覚醒し……。前作から20年経った現実と同じく、あれから20年後の世界として、前メンバーとともに戦う次世代の青年たちの活躍を描く。夏休みにカラッと楽しめるエイリアンものであり、わかりやすいSFアクション・エンターテインメントである。

リアム・ヘムズワース,ほか

人類がエイリアンとの死闘に打ち勝ってから20年。この間、30億人の尊い命を失った人類はエイリアンのテクノロジーを取り入れて新たに地球防衛システムを構築。各国が一丸となり連帯したことで国家間の紛争がなくなり、国際的な協力体制が実現した。1996年の戦いで実力を認められた天才エンジニアのデイビッドは国際機関である地球防衛軍(ESD)の長官に就任、一緒に戦ったヒラー大尉は新型戦闘機の飛行テスト中に事故で他界したものの彼の息子ディランは、パイロットの精鋭部隊を率いる空軍の大尉となり、ホイットモア元大統領は20年前の特殊な戦闘時の後遺症に苦しみながらも、彼の娘であるパトリシアは父の影響でパイロットとして優秀な成績を収め、現在はアメリカ初の女性大統領ランフォードのもとで働いている。
 そして2016年7月、地球防衛の拠点のひとつである月面基地が攻撃され、エイリアンの巨大な宇宙船が襲来し地球への総攻撃を開始。パトリシアの恋人である地球防衛軍の優秀な戦闘機パイロット、ジェイクも相棒チャーリーとともに出動するが……。

いかにもハリウッド大作らしい、わかりやすく気楽に楽しめる大がかりなSF娯楽作品。以前のストーリーや設定、登場人物をよく生かし、現代的な感覚やキーワードを盛り込み、旧作ファンの大人世代と今回に初めて観る若い世代、どちらにも気軽に楽しめる内容となっている。エメリッヒ監督はこれまでたくさんの人たちに「(『インデペンデンス・デイ』の)続編は作らないの?」と聞かれ続けてきたそうで、初の続編となる本作を製作しようと思ったきっかけは数年前にあったと語っている。「自分の中で(あの作品)は完結したと思っていましたが、映画『2012』を撮り終えてSFXの作業をしていた時に突然開眼して『作ってもいいな』と思いました」。そして本作への思い入れについて、このように語っている。「これは私にとって特別な世界だから、この世界とキャラクターにとってふさわしいものにしたいと思った。それに何もかもが新鮮な感じがするほど、前作から十分な時間が経過したからね」

ジェフ・ゴールドプラム,ビル・プルマン

キャストは前作から同じ役の20年後を演じている大人世代のベテラン俳優陣と、次世代の青年たちを演じる若手俳優たちが協力しチームとなっていく様子がよく描かれていて。エメリッヒ監督は語る。「世代間の引き継ぎを見るのはエキサイティングだ。今回の新作では前作のベテランの英雄たちが、新顔のチームのために道を譲る。オリジナル・キャストをセット内外で見ていると、まるで“1996年の卒業生”の20年後の同窓会のようだ」
 ESD(地球宇宙防衛軍)長官となったデイビッド役はジェフ・ゴールドブラムが技術面のプロとして、元合衆国大統領ホイットモア役はビル・プルマンが次世代のために戦うリーダーであり娘を愛するひとりの父親として、UFOとエイリアン研究を専門とするオーキン博士役はブレント・スパイナーが20年間の昏睡から突然目覚めた人物として、デイビッドの父親ジュリアス役はジャド・ハーシュが相変わらずのマイペースぶりで演じている。また地球防衛軍の優秀なパイロットであるジェイク役は、前作の公開当時は6歳だったというリアム・ヘムズワースが荒っぽくも野性的な判断力に長ける青年として、パトリシア役はマイカ・モンローが父や恋人ジェイクとともに戦う賢く勇敢な女性として、パトリシアとジェイクの友人であり故ヒラー大尉の息子ディラン役は、ジェシー・アッシャーが精鋭部隊を率いる優等生の空軍大尉として、そしてアメリカ初の女性大統領ランフォード役はセラ・ワードが、心理学者のキャサリン博士はシャルロット・ゲンズブールが、ジェイクの相棒のパイロット、チャーリー役はトラヴィス・トープが、ESDの中国人女性パイロット、レイン役はアンジェラベイビーが、殉職したヒラー大尉の妻ジャスミン役はヴィヴィカ・A・フォックスが、それぞれに演じている。

ビル・プルマン,マイカ・モンロー,リアム・ヘムズワース

「観客はこの映画のキャラクターたちがとても好きなんだ。前作の世界をいっそう拡大した本作をたくさんの人たちに体験して欲しい」とエメリッヒ監督が語る本作。今回はエンジニアのデイビットやホイットモア元大統領、科学者のオーキン博士ら、前作からのおじさま方の活躍に加え、ドラマの軸がいろいろとあって。例えば英雄の子どもたちとして脚光を浴びてすくすくと育ったパトリシアとディランに対し、1996年の戦いで両親を失い孤児となり実力で自身の立場を築いてきたジェイクの思い、パイロットの訓練生時代に良い仲間だったディランにジェイクが意固地に張り合った過去のわだかまりがあること。20年前から数年に渡りアフリカのコンゴでエイリアンの残党が結集し激しく抵抗し続け、長い間アフリカの戦士たちが地上戦を繰り広げたことで、その地域には独自の戦闘データが集積されていること。アジア系、白人、アフリカ系という国際色豊かな地球防衛軍、金塊目当てのヒスパニック系(?)らしき船乗りたちが思いがけず重要なポジションを担うこと、シニア世代と子どもたちが助け合うこと、アメリカ初の女性大統領、若い青年たちの情熱的な恋愛に、(とってつけた感は多々あれども)大人たちのさばけた恋愛、またエイリアンの思念波を強く受けた人間たちの影響として、無意識下では誰もがつながっているというスピリチュアル界隈の定説のひとつがさらりと取り入れられている感覚も現代的だ。地球防衛の戦闘シーンではひとりのスター的存在よりも未熟なメンバーや各国の民間人も含むチーム全体の総力戦が大きな力となること、新型戦闘機より高い知能より何より、人間の本能的な勘や、可能性は低くともイチかバチかと打って出る火事場の馬鹿力のような、ある意味で原始的かつ野蛮な感性がいざという時に頼みの綱となるあたりなど、エイリアンと人類との死闘というスペクタクルのなかでも、どこか「人間の底力や良心を信じている」というテーマがたびたび描かれているところが本作の大きな特徴だ。
 個人的に残念なのは、前作からの主要メンバーはほぼ出演しているのに、ヒラー大尉役のウィル・スミスは殉職し当時の姿が写真で登場するのみであること。主役クラスじゃないと出演しないとか見合わないギャランティという例外はダメとか、続編ものに不安があったとかエージェント側の大人の事情なのかもしれないが、ファンのためお世話になった作品の復活を盛り上げるため、ひいてはウィル本人の今後の俳優活動を思えば、出演したほうがプラスになったのでは……と、ふと。

とにもかくにも、前作を知っている人も知らない人も、わかりやすいエンタメ好きならシンプルに楽しめるSFアクション大作。最後に、2016年6月29日に東京スカイツリーの天望デッキで行われた来日記者会見にて語った、エメリッヒ監督のメッセージをお伝えする。「この作品はみんなが一致団結し手をつないで挑むストーリーで、クレイジーになるほど大満足する映画です。ぜひ劇場で楽しんでください」

作品データ

インデペンデンス・デイ:リサージェンス
公開 2016年7月9日より、TOHOシネマズ スカラ座ほかにて全国ロードショー
制作年/制作国 2016年 アメリカ
上映時間 2:00
配給 20世紀フォックス映画
原題 INDEPENDENCE DAY: RESURGENCE
監督・製作 ローランド・エメリッヒ
出演 リアム・ヘムズワース
ジェフ・ゴールドプラム
ビル・プルマン
マイカ・モンロー
トラヴィス・トープ
ウィリアム・フィクナー
シャルロット・ゲンズブール
ジャド・ハーシュ
ジェシー・アッシャー
アンジェラベイビー
ブレント・スパイナー
チン・ハン
ベンガ・アキナベ
セラ・ワード
ヴィヴィカ・A・フォックス
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
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