ジャスティス・リーグ

バットマンやワンダーウーマンらDCの超人が集結
邪悪な宇宙の侵略者から人類を守ることができるのか
人気俳優によるキャラクターたちが活躍する娯楽作品

  • 2017/11/21
  • イベント
  • シネマ
ジャスティス・リーグ©2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

バットマンとワンダーウーマンをはじめ、DCの超人たちが結集する話題作。出演は2016年の映画『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』に引き続き、本作の製作総指揮も手がけるベン・アフレック、『ワンダーウーマン』の世界的な大ヒットが記憶に新しいガル・ガドット、2018年12月全米公開予定の映画『Aquaman』のジェイソン・モモア、『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』のエズラ・ミラー、舞台やTVで活動するレイ・フィッシャーほか。宇宙からの邪悪な侵略を察知し、バットマンはワンダーウーマンをはじめ超人チームを結成しようとするが……。スーパーヒーローたちの戦闘やドラマ、人気俳優によるキャラクターの結集をシンプルに楽しむ、アクション・エンターテインメントである。

ベン・アフレック,ガル・ガドット,レイ・フィッシャー,エズラ・ミラー,ジェイソン・モモア

スーパーマンの死から数か月、世界は彼の死を悼んでいる。そんななか凶暴な侵略者ステッペンウルフが宇宙から現れ、地球に封印されたあるものを探し始める。人類の危機を察知したバットマンことブルースは、ワンダーウーマンをはじめ、海底王国アトランティスを継ぐ海の王者アクアマン、次元を超えるほどの超高速移動能力をもつフラッシュ、事故で重傷を負い体の大部分が高性能なマシンとなったサイボーグの青年を探し出し、チームとなって共に戦うことをもちかける。単独で活動してきた超人たちはチームとしてなかなかまとまらず、ステッペンウルフの侵略が一気に進むなか、ブルースはメンバーに賭けともいえる重要な提案をする。

魅力的な俳優たちがイメージにハマる超人を演じ、期待通りに楽しめる娯楽作。ストーリーや演出が抜きんでて……というより、キャラクターたちにそれぞれ個性が立っていて、ほどよい起承転結でポップコーンとともに気楽に観る、という感覚だ。侵略者との派手な戦闘シーンのみならず、背景や世代がバラバラの超人たちが、歩み寄り協力し合うドラマも見どころとなっている。製作のチャールズ・ローブンは語る。「彼ら超人たちが全員が(スーパーパワーはなくとも実質的にもっているとして生きてきたバットマンを含めて)、それまでの人生のどこかで、なんらかの疎外感や見捨てられた感じを抱いたことがあるという点が、私には興味深い。ある意味、それが彼らを結び付けており、彼らにとっても一緒に戦うことで意味を成すんだ」

エズラ・ミラー

ゴッサム・シティを自警するバットマンことブルース・ウェイン役は、ベンが影のある生身の男として。大富豪の資金力と最新技術で重装備をしていても超人ではなく肉体を鍛え上げただけの人間であり、超人たちとともに戦う心身のハードさを表現している。アマゾン族の王女で全能神ゼウスの娘、ダイアナ・プリンスことワンダーウーマン役は、ガルが希望を捨てない生命力にあふれる女性として。身長192cmのベンと177cmのガルが並んで歩く姿は見ていて単純にカッコいい。またガルのスタイルの良さと全身からあふれる健全な明朗さは、つくづくワンダーウーマンにピッタリだと改めて。劇中で強盗から「何者だ?」と問われ、名乗らずに「信じる者よ」というところとか、わかりやすくキマってシビれる。海底王国アトランティスを継ぐアクアマンことアーサー・カリー役は、ジェイソン・モモアが素朴で率直、ワイルドな男として、次元を超えるほどの超高速移動能力をもつフラッシュことバリー・アレン役は、エズラが戦闘経験ゼロでバットマンにミーハーする大学生として初々しく、体の大半が機械化したサイボーグのビクター・ストーンことサイボーグ役は、レイが地球外の科学により自動でバージョンアップしてゆく自身の機能にとまどい、自身の見た目を嫌い人目を避けて暮らす青年として。メンバーをファミリーにたとえると、父のようなバットマン、母のようなワンダーウーマン、無骨でちょいワルな叔父のアクアマン、コンプレックスを抱える真面目な長男のサイボーグ、好奇心旺盛でやんちゃな末っ子のフラッシュ、といったイメージでどこかほほえましい感じも。ラスト近くにフラッシュとサイボーグがそっとグータッチをするのもかわいい。
 宇宙からの侵略者ステッペンウルフ役はキーラン・ハインズが、ワンダーウーマンの母であり故郷セミッシラを統べるヒッポリタ女王役はコニー・ニールセンが、その妹で右腕のアンティオペ将軍役はロビン・ライトが、バットマンの執事アルフレッド役はジェレミー・アイアンズが、ゴッサムシティ警察の本部長ゴードン役はJ・K・シモンズが、そして最後のクリプトン星人スーパーマンことクラーク・ケント役はヘンリー・カヴィルが、クラークの恋人で新聞記者のロイス役はエイミー・アダムスが、クラークの育ての親マーサ役はダイアン・レインが……と、実力派たちがそれぞれに演じている。
 スナイダー監督は語る。「すべての役にあれほど素晴らしい俳優たちを起用できて、ほんとうによかった。ひとつひとつの演技が素晴らしいからこそ、各シーンがよくなり、コミックブックの誌上でおなじみのキャラクターたちがリアルに感じられるんだ」

ガル・ガドット

DCコミックの実写映画をクロスオーバーして同じ世界観で描くDCEU(DC・エクステンデッド・ユニバース)のザック・スナイダー監督と、マーベルコミックのMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の成功で知られる『アベンジャーズ』の脚本家ジョス・ウェドンがタッグを組んだことも話題の本作。DCかマーベルかというレーベルにこだわりのあるコアなファンに加えて、レーベルにこだわりなく人気ヒーローたちの娯楽作品としてシンプルにアメコミ映画を楽しみにしている観客も筆者を含めて多いのでは。アイアンマンに見た目とできることがちょっと似ている本作のサイボーグ、『X-MEN』の高速移動のミュータントであるクイックシルバーと本作のフラッシュなど、似たタイプのキャラクターがいることで、「どっちがどっち?」と混乱することもあるかもしれないものの、それも含めて楽しんでしまうといいかもしれない。
 コミックスでは以前からDCキャラ対マーベルキャラの対決ものなら、クロスオーバー作品があったとのこと。もしも映画でDCとマーベルのクロスオーバーをやるなら、DCとマーベルの超人たちが対決するのではなく、タッグを組み共闘するのが観てみたい……というのは筆者のただの妄想ながら、そんなふうに思っている人も少なくないのでは。巨大メジャースタジオ同士のクロスオーバーは、大人の事情が山積みすぎて可能性は低いかもしれないものの、先のことは誰にもわからないし、いろいろがうまいこと合致すれば新しい展開だって……と淡くひそかに期待している。

作品データ

劇場公開 2017年11月23日より丸の内ピカデリーほかにて全国ロードショー
制作年/制作国 2017年 アメリカ映画
上映時間 2:00
配給 ワーナー・ブラザース映画
原題 JUSTICE LEAGUE
監督・原案 ザック・スナイダー
原案・脚本・製作総指揮 クリス・テリオ
脚本 ジョス・ウェドン
出演 ベン・アフレック
エズラ・ミラー
ガル・ガドット
ジェイソン・モモア
レイ・フィッシャー
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
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