チャーリーズ・エンジェル

新世代の女優たちを起用して人気シリーズをリブート
悪事を阻止すべく精鋭の女性スパイたちが活躍する
スタイリッシュなアクション・エンターテインメント

  • 2020/02/07
  • イベント
  • シネマ
チャーリーズ・エンジェル

アメリカで1970〜80年代に人気を博したドラマシリーズを新たなメンバーで再び映画化。出演は、『アラジン』のナオミ・スコット、シャネルのミューズとしても活躍する『トワイライト』のクリステン・スチュワート、現在カルティエのアンバサダーを務め、テレビなどで活躍しているイギリス出身の新進女優エラ・バリンスカ、『X−メン』のパトリック・スチュワートほか。監督・脚本は『ピッチ・パーフェクト』のエリザベス・バンクスが手がけ、製作総指揮には2000年の映画『チャーリーズ・エンジェル』と2003年の続編で製作総指揮と主演のひとりを務めたドリュー・バリモアが参加。巨大テクノロジー企業に勤めるプログラマーのエレーナは、自身が開発した画期的なエネルギー源が軍事利用される可能性に気づき、エンジェルたちに調査を依頼するが……。変装、潜入、誘惑、スリリングなアクションやカーチェイス、メンバー間の対立、理解と友情、チームとして戦うこと。謎の大富豪チャーリーが経営する探偵事務所がスタート当初から40数年を経て、国際機密企業チャーリー・タウンゼント社となったこと。精鋭の女性スパイ“エンジェル”たちが力を合わせて陰謀に挑む、スタイリッシュなアクション・エンターテインメントである。

クリステン・スチュワート,エラ・バリンスカ,ナオミ・スコット

国際機密企業チャーリー・タウンゼント社で特殊訓練を受けたエリート女性エージェント組織、通称“チャーリーズ・エンジェル”。彼女たちは世界各地に拠点を置き、平和を見守る天使=“エンジェル”として隠密に活動している。ある日、巨大テクノロジー企業に勤めるプログラマーのエレーナは、自身が開発した画期的なエネルギー源“カリスト”が軍事利用される可能性に気づき、エンジェルたちに調査を依頼。しかしそのことでエレーナが刺客に命を狙われてしまう。企業の告発者への対応にしては悪質であることから、変装と潜入を得意とするサビーナと、あらゆる武器を自在に操る元MI6 のジェーンは、司令塔ボスレーの命により早急に背後関係を調べ始めるが……。

「Good Morning Angels」
 「Good Morning Charlie」
 定番の挨拶で知られるドラマシリーズに敬意を払いつつ、現代版にアップデートされたエンジェルたちの活躍を描く本作。テレビシリーズ「Charlie's Angels(邦題:地上最強の美女たち!チャーリーズ・エンジェル)」は、1976年9月から全米で放映開始。謎の大富豪チャーリーが経営する「チャーリー探偵事務所」で犯罪と戦う3人の女性たちの活躍が人気を得て、ドラマシリーズは1981年まで5シーズン全110話を放映。2000年と2003年にはキャメロン・ディアス、ドリュー・バリモア、ルーシー・リューの主演で映画化され、特に初映画化となった2000年の映画は大ヒットを記録した。今回の映画は、ドラマの世界観を尊重しつつも映画版の続きをイメージしているとのこと。女性たちがチームを組み悪事を阻止するために戦うストーリーについて、監督は語る。「これは、類まれなことをするリアルな女性たちの物語なの。日常生活でも、私の周りには非凡な女性が大勢いる。この映画が描いているのもそういうこと。ほかの女性たちを心から信頼し、皆が人生で成功を収めることを願う。そんな女性たちが日々実践しているような英雄的行為を描いているの」

クリステン・スチュワート,エラ・バリンスカ,ナオミ・スコット

持続可能なエネルギー源を開発した天才的な科学者でエンジニアのエレーナ役は、ナオミが実直で好奇心旺盛な女性として、変装と潜入を得意とするサビーナ役は、クリステンが奔放でワイルドな女性として、さまざまな武器を自在に操り身長178cmの長い手足でキレのある体術を繰り出す元MI6のジェーン役は、エラが生真面目でクールなタイプとして。劇中では三人三様の個性と魅力がキラキラと響き合っているのが特徴だ。すでに人気女優であるナオミとクリステンと共演するエラは、本作に大抜擢された23歳。格闘技の経験者にして抜群のスタイルの美人というだけでなく、雰囲気やユーモアといった自然体の抜け感があり、新進女優としてこれからますます活躍するのは間違いない。この撮影を機に3人はプライベートでも友人となり、よく会っているとのこと。クリステンはエラについて、こんなふうに楽しげにコメントしている。「エラは私が今まで会った人のなかでも極めてA型的で、実際的な人なの。誰よりも一所懸命スタントを練習していたわ。とにかく気恥ずかしくなるほど誠実な人なのよ。裏表がなくて、優しくて存在感があって、最高の友人よ」
 エンジェルたちに指令を伝える“ボスレー”のなかでも古参であり、現役を引退するジョン・ボスレー役はパトリック・スチュワートが、エレーナの依頼を受けるエドガー・ボスレー役はジャイモン・フンスーが、元エンジェルの女性ボスレー役はエリザベス・バンクス監督自身が、エレーナの命を狙って執拗に襲撃する刺客ホダック役はジョナサン・タッカーが、エンジェルたちの心身のケアから武器や衣装の調達までさまざまに世話をするセイント役はルイス・ヘラルド・メンデスが、エレーナの助手ラングストン役は映画『好きだった君へのラブレター』でブレイクしたノア・センティネオが、利益優先でエレーナの意見を却下する上司ピーター・フレミング役はナット・ファクソンが、巨大テクノロジー企業のCEOでエンジニアであるアレクサンダー役はサム・クラフリンが、それぞれに演じている。そして冒頭から登場する気取ったアジア系の男性ジョニー役として映画『クレイジー・リッチ!』のクリス・パンが、またエンジェル役としてドラマシリーズの全シーズンに出演し、2003年の映画にも登場したジャクリーン・スミスが今回も出演している。

吊り下げた布を用いるダンス“エアリアル・シルク”の動きをアレンジして相手をやりこめるシーンや、激しい銃撃戦が展開するカーチェイスなど、アクションは見どころのひとつ。女優たち3人は撮影のリハーサル前にトレーニングをして、スタントをできる限り自身でこなしたとのこと。本能的に先制攻撃を仕掛けるサビーナ、高い戦闘能力で重い一撃を効果的に浴びせてゆくジェーン、行き当たりばったりながらも知恵を巡らせて全力で立ち向かうエレーナ、格闘シーンはそれぞれのスタイルがあり観ていて楽しい。アクションの振付は、シルク・ドゥ・ソレイユやバレエなどの動きからインスピレーションを得たとのこと。スタント・コーディネーターのフロリアン・ホッツは本作のアクションについて語る。「ダンス的な動きが多い場面では、バレエのような動きを試してみた。2人のダンスパートナーを見ているような、親密な印象を与える動きになっている。フレッド・アステアの映像まで見たよ。そしてそれをアップデートして、現代のヒップホップに近づけていったりしたんだ」
 なかでも注目は、ともに実際に格闘技の経験者であるジェーン役のエラと冷徹な刺客ホダック役のジョナサンによる迫力の対決シーンだ。もともとエラはさまざまなマーシャルアーツを習得していて、ジョナサンは総合格闘技のスキルがあり、2人が戦うシーンは鋭い動きや重みを感じさせるパンチや蹴りなど臨場感に惹きつけられる。
 監視カメラによる追跡をかく乱するために3人が同じ髪型と服とメイクで変装するシーンをはじめ、イベントやパーティに潜入するカラフルななりきりファッションやキメキメのドレス姿もキュート。防弾服であるビスチェや通信機能のあるゴールドのバングル、ある効果をもつミント・タブレットなど、アクセサリーやドレスやお菓子といった女性たちが普段から親しんでいるアイテムが諜報アイテムになっているのも楽しい。また撮影は国際的な犯罪の調査と真相究明を描くことから、トルコやドイツなど各国で実施。タウンゼント社のベルリン支社の内部は、「クラフトワーク」と呼ばれているベルリンの元発電所にて、不正な裏取引のシーンはイスタンブール郊外の採石場にて、IT界の成功者であるアレクサンダーの住居はドレスデン近くのモーリッツブルグ城にて撮影された。
 楽曲制作は、初めて映画音楽を手がけるアリアナ・グランデが参加し、女性アーティストのみによるサウンドトラックとして5曲を提供。主題歌「Don't Call Me Angel」では、アリアナがマイリー・サイラス、ラナ・デル・レイとコラボしている。また劇中のスコア作りには作曲家のブライアン・タイラーも参加。最初のテレビシリーズのテーマ曲ともマッチするサウンドを心がけ、「交響曲、ヒップホップ、’70年代のグルーヴなどさまざまな音楽スタイルを思い起こさせる音になっている」とコメントしている。

クリステン・スチュワート,ナオミ・スコット,エラ・バリンスカ

アクションのなかには激しすぎる銃撃戦や残酷な格闘シーンがあり、あくまでもフィクションとはいえそこまで男性を排除するのか、という展開など、ちょっと引くような面やツッコミどころはいくつかあるものの、“現代の女性たちへのエールが込められた娯楽作品”として、細かいことは気にせずにざっくりと楽しむことがおすすめだ。男性の観客には、注目の女優たちの新鮮な魅力が満喫できるのも楽しいだろう。
 エリザベス・バンクス監督は、このシリーズのなかで特に気に入っていることについて、「女性たちが一緒に仕事をして補完し合い、互いの肩で泣いて守り合い、ひとつのチームとして協力し合う。そこに私は一番惹かれたの」とコメント。そして本作に込めた思いについて、このように語っている。「今の世界に生きる女性や女の子たちの持つ可能性、特に彼女たちが力を合わせたときの成果を讃えるような作品を作りたいと思った」
 また2019年11月11日(現地時間)にロサンゼルスで行われたワールドプレミアにて、クリステン、ナオミ、エラは本作のメッセージについてこのように語った。
 ナオミ「前作では探偵エージェンシーはLAにあった設定だけど、今はグローバルに展開している。それは“エンジェルは世界中にいる”という映画のメッセージと直結しているのよ。あなたも、みんなエンジェルよ。誰でもエンジェルになれる。大勢だからこそ、完璧なの」
 エラ「(この映画は)女性の強さを表現する素晴らしい機会だと思うわ。(監督の)エリザベスがいつも言っていたのは、女性たちがハードにではなく、スマートに戦うように描きたかったということ。強さと弱さを持ち合わせている私たちは、お互いに助け合う。それは現実に女性たちが働く現場で起こっていることよね。女性たちの楽しくて愛すべき、素晴らしいストーリーが描かれているわ」
 クリステン「(チャーリーズ・エンジェルは)スーパーヒーローとして特別な存在よ。小さい頃から憧れていて、映画も大好きだった。ハリウッドだけではなく、世界中にものすごくたくさんのエンジェルが存在していて、私たちの住む世界で誰でもなり得る。誰だって世界に貢献できるの」

作品データ

公開 2020年2月21日よりTOHOシネマズ日比谷ほかにて全国ロードショー
制作年/制作国 2019年 アメリカ
上映時間 1:58
配給 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
原題 Charlie's Angels
監督・脚本 エリザベス・バンクス
製作総指揮 ドリュー・バリモア
出演 クリステン・スチュワート
ナオミ・スコット
エラ・バリンスカ
エリザベス・バンクス
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
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