揃物2種類の全点公開は本邦初! 広重と摺師が一体となって制作した最晩年の代表作
浮世絵の蒐集で知られる日本化薬株式会社の元会長、原安三郎氏。コレクションの中から、江戸時代末期の人気浮世絵師、歌川広重最晩年の代表作〈名所江戸百景〉、〈六十余州名所図会〉の2種類の摺物(一枚摺りの浮世絵)を全点まとめて紹介する企画展です。
五畿内、東海道、東山道、北陸道、山陰道、山陽道、南海道、西海道の68カ国の名所を描いた〈六十余州名所図会〉は、1853(嘉永6)〜1856(安政3)年にかけて出版されました。美しいグラデーションを生み出す技法「拭きぼかし」が《阿波 鳴門の風波》にも施されています。
名所絵の集大成として取り組んだ〈名所江戸百景〉は、1856(安政3)〜1858(安政5)まで刊行されました。江戸市中や郊外の名所へ実際に赴いて写生したものをベースに製作したと考えられており、近景を大きく、遠景を小さく描く構図が特徴的です。初摺では、布を紙に押し付けて凹凸をこすり出す「布目摺り」などが見られます。
本展では、初公開となる〈六十余州名所図会〉と〈名所江戸百景〉を現在の写真と一緒に展示。〈名所江戸百景〉は目録と異なり、地域ごとに配列し、名所を歩いて巡るような趣向で紹介します。2つの目玉展示のほか、広重と並んで人気の高い風景版画の浮世絵師、葛飾北斎の〈富嶽三十六景〉や〈千絵の海〉、歌川国芳〈東都〉や〈東都名所〉なども展示され、浮世絵ならではの技法や構図、鮮やかな色合いを楽しめます。
展覧会名 | 原安三郎コレクション 広重ビビッド |
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会期 | 2016年4月29日(金・祝) 〜 6月12日(日) ※会期中、展示替えあり |
休館日 | 火曜日(ただし5月3日、6月7日は開館) |
時間 | 10:00〜18:00(金・土および、5月2日〜4日は20:00まで) ※入館は閉館時間の30分前まで |
会場 | サントリー美術館 港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階 >> 会場の紹介記事はこちら |
入館料 | 一般 1,300円、高大生 1,000円 |
公式サイト | https://www.suntory.co.jp/sma/ |
問合せ | 03-3479-8600 |
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