オットー・ネーベル展 シャガール、カンディンスキー、クレーの時代

色と形で独自のスタイルを追求! 油彩からコラージュまで創作の軌跡が一堂に

  • 2017/10/03
  • イベント
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ドイツに生まれ、ドイツとスイスで活躍した画家オットー・ネーベル。建築、演劇、音楽、抽象など幅広い分野で活動し、クレーなど同時代の画家たちの画風も取り入れながら、独自のスタイルを追求したその生涯を振り返る日本初の回顧展です。

1892年、ベルリンに生まれたネーベルは、建築の専門家として修業しますが、演劇にも興味を示し、1913年から1年間ベルリンの演劇学校に通います。兵役中に見たフランツ・マルクの回顧展に感銘を受け、画家になることを決意。1919年から画家として活動を始めます。1924年、バウハウスで教鞭をとっていたゲルトルート・グルノウのアシスタント、ヒルデガルト・ハイトマイヤーと結婚。同校に在籍していたパウル・クレーやワシリー・カンディンスキーと知り合い、制作へのインスピレーションや生涯にわたる友情を育みました。後に、カンディンスキーの尽力で、ニューヨークのグッゲンハイム財団が作品を購入しています。特に1931年に訪れたイタリアの景観はネーベルを魅了しました。その際に、各都市の個性を色彩で表現した『イタリアのカラーアトラス(色彩地図帳)』を制作。1933年、スイスに移住した後に描いた作品にもその影響を見ることができます。

本展では、画家、版画家、詩人としてマルチな才能を発揮したネーベルの初期から晩年までの作品を、ネーベルが手掛けた主要なテーマに沿って紹介します。学生時代から兵役、画家を目指すまでのベルリン時代、1924年にクレーやカンディンスキーと出会ったバウハウス時代、シャガールやフランツ・マルクの影響を受け、色彩溢れるスケッチブックを作成したイタリアへの旅、建築物を立方体や結晶体の形にあてはめた建築シリーズ、移住先のスイスで試みた音楽を感じさせる絵画や抽象絵画などの実験まで、時期によって変わる作風をじっくり展観できます。また、ネーベルと親交のあったクレーやカンディンスキーの作品も展示し、その影響や20世紀美術全体の流れとの関連を探れる点も魅力です。アスコーナで描かれた《アスコーナ・ロンコ》などに影響が感じられるシャガールの作品も紹介。油彩、版画、コラージュまでバリエーション豊富な作品がそろいます。

  1. オットー・ネーベル 《避難民》1935年、グアッシュ、インク・紙、オットー・ネーベル財団
    オットー・ネーベル
    《避難民》1935年
    グアッシュ、インク・紙
    オットー・ネーベル財団
  2. オットー・ネーベル 《ムサルターヤの町 W 景観B》1937年、グアッシュ・紙、ベルン美術館
    オットー・ネーベル
    《ムサルターヤの町 W 景観B》1937年
    グアッシュ・紙
    ベルン美術館
  3. オットー・ネーベル 《ポンペイ》『イタリアのカラーアトラス(色彩地図帳)』より、1931年、水彩・紙、オットー・ネーベル財団
    オットー・ネーベル
    《ポンペイ》『イタリアのカラーアトラス(色彩地図帳)』より
    1931年
    水彩・紙
    オットー・ネーベル財団
  4. オットー・ネーベル 《ドッピオ・モヴィメント(二倍の速さで)》1936年、ラッカー塗料・紙、オットー・ネーベル財団
    オットー・ネーベル
    《ドッピオ・モヴィメント(二倍の速さで)》1936年
    ラッカー塗料・紙
    オットー・ネーベル財団
  5. オットー・ネーベル 《聖母の月とともに》1931年、グアッシュ・紙、ベルン美術館
    オットー・ネーベル
    《聖母の月とともに》1931年
    グアッシュ・紙、ベルン美術館

開催概要

展覧会名 オットー・ネーベル展
シャガール、カンディンスキー、クレーの時代
会期 2017年10月7日(土) 〜 12月17日(日)
※会期中一部、展示替えを行います
休館日 10月17日(火)、11月14日(火)
時間 10:00〜18:00(毎週金・土は21:00まで)
※入館は各閉館時間の30分前まで
会場 Bunkamura ザ・ミュージアム
渋谷区道玄坂2-24-1 
入館料 一般 1,500円、高大生 1,000円、小中生 700円
公式サイト https://www.bunkamura.co.jp/museum/
問合せ 03-5777-8600 (ハローダイヤル)

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