特別展 「典雅と奇想―明末清初の中国名画展」

先の見えない時代に描かれた、正統派の山水画と、異端が生み出した驚きの造形表現

  • 2017/10/27
  • イベント
  • アート

中国の明時代末期から清朝初期にかけて、正統派の山水画を描いた呉派とは一線を画し、個性的な表現の中国絵画を描いた、呉彬ら異端の画家たちに注目し、歴史の変動期に生きた画人の作品を展観する企画展です。

16世紀後期から17世紀前期にかけて、中国の明では、農民の反乱や飢饉などが続き、経済が低迷。政治の混迷に乗じて北方の異民族であった清が首都を陥落させ、新たな支配者となります。明に仕えていた画家たちは、仕事を追われながらも描き続ける者、新たに清朝に仕える者などそれぞれに身の処し方を模索。先が見えない混迷する時代の中でも創造力を発揮しました。中でも、呉彬、徐渭、石濤、八大山人らは、伝統的な山水表現から逸脱し、個性的な形態様式を確立。中国絵画史では、近年の研究によって見直されてきています。

本展では、館蔵の中国絵画コレクションを軸に、他館所蔵の作品を加えて、当時正統派とされた呉派の山水画と、異端とされた呉彬らの造形的な文人画を見比べながら、歴史の変動期に生きた画人とその時代の中国絵画を展観します。重要文化財の石濤「黄山図巻」や八大山人「安晩帖」のほか、徐渭「花卉雑画巻」、呉彬「渓山絶塵図」、漸江「江山無尽図巻」、米万鍾「柱石図」などが展示されます。

  1. 呉彬 「渓山絶塵図」明・万歴43年(1615) 橋本コレクション 画像提供:東京国立博物館 Image: TNM Image Archives
    呉彬 「渓山絶塵図」
    明・万歴43年(1615)
    橋本コレクション
    画像提供:東京国立博物館
    Image: TNM Image Archives
  2. 重要文化財 八大山人 「安晩帖」第7図 清・康煕33年(1694) 泉屋博古館
    重要文化財 八大山人 「安晩帖」第7図
    清・康煕33年(1694)
    泉屋博古館
  3. 重要文化財 八大山人 「安晩帖」第10図 清・康煕33年(1694) 泉屋博古館
    重要文化財 八大山人 「安晩帖」第10図
    清・康煕33年(1694)
    泉屋博古館
  4. 徐渭 「花卉雑画巻」 明・万歴3年(1575) 東京国立博物館 画像提供:東京国立博物館 Image: TNM Image Archives
    徐渭 「花卉雑画巻」
    明・万歴3年(1575)
    東京国立博物館
    画像提供:東京国立博物館
    Image: TNM Image Archives

開催概要

展覧会名 特別展 「典雅と奇想―明末清初の中国名画展」
会期 2017年11月3日(金・祝) 〜 12月10日(日)
前期:11月3日(金・祝) 〜 11月19日(日)
後期:11月21日(火) 〜 12月10日(日)
休館日 月曜日
時間 10:00〜17:00
※入館は閉館時間の30分前まで
会場 泉屋博古館分館
港区六本木1-5-1 
>> 会場の紹介記事はこちら
入館料 一般 800円、高大生 600円
公式サイト https://sen-oku.or.jp/tokyo/
問合せ 03-5777-8600 (ハローダイヤル)

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