神聖ローマ帝国皇帝 ルドルフ2世の驚異の世界展

芸術、科学、自然物が一堂に!皇帝の驚異の世界

  • 2017/12/14
  • イベント
  • アート

神聖ローマ皇帝としてハンガリー、クロアチア、ボヘミア、オーストリアなどを支配したハプスブルグ家のルドルフ2世。政治よりも文化に注力して、世界各地から人材を集め、17世紀初頭のヨーロッパで随一の文化拠点を創り上げました。芸術、科学、自然と多岐にわたったそのコレクションを筆頭にルドルフ2世が愛好した、時に魔術的な魅力に満ちた芸術と科学の世界を紹介します。

スペインのフェリペ2世の宮廷で育ち、後に帝位を継いだルドルフ2世は、ラテン語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、チェコ語に堪能な博学者でした。帝都をウィーンではなくプラハにおき、世界各地から優れた人物を集めて活動を庇護しました。宮廷に仕えた画家には、動植物などを組み合わせて人物像を創り上げるジュゼッペ・アルチンボルド、エロティックな雰囲気をたたえた神話画を得意としたハンス・フォン・アーヘン、同じく神話画が秀でたバルトロメウス・スプランガー、宗教画や寓意的な主題の作品を制作したディルク・ド・クワード・ファン・ラーフェステインなどがいます。
 馬を愛好して動物園も所有し、お抱え画家の一人であるルーラント・サーフェリーに動物画を描かせ、ヨーリス・フーフナーヘルには華麗な細密画や装飾を施した写本を作らせたほか、天文学や占星術にも関心を持ち、デンマークの天文学者ティコ・ブラーエらをお抱えの天文学者として雇用。天体道具や各国の博物などを集めた驚異の部屋を作り上げました。

 本展では、宮廷画家などルドルフ2世が好んだ芸術家を中心に、版画を含む絵画約80点、工芸品や天文道具約20数点、天文学や錬金術に関する資料など約120点を紹介します。珍しいイッカクの牙、鉱物などの自然物(ナトゥラリア)も併せて展示。優美なもの、奇妙なもの、怪しげなものなど、皇帝が愛した芸術と科学の数々もじっくり展観できます。また、アルチンボルドの作品にインスパイアされて創作した、現代美術家フィリップ・ハースの巨大彫刻《四季》シリーズから《春》をはじめとるす作品が特別展示される点も要注目です。

  1. ハンス・フォン・アーヘン作のコピー 《ハプスブルク家、神聖ローマ帝国皇帝ルドルフ2世の肖像》 1600年頃、油彩・キャンヴァス、スコークロステル城、スウェーデン Skokloster Castle, Sweden
  2. ルーラント・サーフェリー 《2頭の馬と馬丁たち》 1628年頃、油彩・板、コルトレイク市美術館、ベルギー Loaned from the City Museums, Kortrijk (Belgium)
  3. 《貝の杯》 1577年、貝、銀、スコークロステル城、スウェーデン Skokloster Castle, Sweden
  4. ヨーリス・フーフナーヘル 《人生の短さの寓意 花と昆虫のいる二連画》(部分) 1591年、グアッシュ、水彩・ヴェラム、リール美術館 Photo©RMN-cliché Stéphane Maréchalle
  5. ジュゼッペ・アルチンボルド 《ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世像》 1591年、油彩・板、スコークロステル城、スウェーデン Skokloster Castle, Sweden
  6. フィリップ・ハース 《春(模型、アルチンボルドに基づく)》 2010年、ファイバーグラスに着彩、作家蔵 ©Philip Haas
  1. ハンス・フォン・アーヘン作のコピー 《ハプスブルク家、神聖ローマ帝国皇帝ルドルフ2世の肖像》 1600年頃、油彩・キャンヴァス、スコークロステル城、スウェーデン Skokloster Castle, Sweden
  2. ルーラント・サーフェリー 《2頭の馬と馬丁たち》 1628年頃、油彩・板、コルトレイク市美術館、ベルギー Loaned from the City Museums, Kortrijk (Belgium)
  3. 《貝の杯》 1577年、貝、銀、スコークロステル城、スウェーデン Skokloster Castle, Sweden
  4. ヨーリス・フーフナーヘル 《人生の短さの寓意 花と昆虫のいる二連画》(部分) 1591年、グアッシュ、水彩・ヴェラム、リール美術館 Photo©RMN-cliché Stéphane Maréchalle
  5. ジュゼッペ・アルチンボルド 《ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世像》 1591年、油彩・板、スコークロステル城、スウェーデン Skokloster Castle, Sweden
  6. フィリップ・ハース 《春(模型、アルチンボルドに基づく)》 2010年、ファイバーグラスに着彩、作家蔵 ©Philip Haas

開催概要

展覧会名 神聖ローマ帝国皇帝 ルドルフ2世の驚異の世界展
会期 2018年1月6日(土) 〜 3月11日(日)
休館日 1月16日(火)、2月13日(火)
時間 10:00〜18:00(毎週金・土は21:00まで)
※入館は各閉館時間の30分前まで
会場 Bunkamura ザ・ミュージアム
渋谷区道玄坂2-24-1 
入館料 一般 1,600円、高大生 1,000円、小中生 700円
公式サイト https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/18_rudolf/
問合せ 03-5777-8600 (ハローダイヤル)

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