師弟関係から生まれた棟方作品や2人の書簡から関係性を探る
20世紀美術を代表する版画家の巨匠として知られる棟方志功。柳宗悦を生涯の師として仰ぎ、柳宗悦による作品の指導監修を受けた2人の師弟関係に着目し、棟方の代表作品に親しむと同時に、両人の書簡から思索の相違などを探る企画展です。
1903(明治36)年、青森県青森市に生まれた棟方は、上京して1930(昭和5)年から美術教師を務めます。1934年(昭和9)年、佐藤一英の詩「大和し美し」を読んで感動し、1936年(昭和11)年に国画会に同名の作品を出品。柳はこの作品の買い上げを即決します。この出会いの後、棟方は柳を師として作品ができる度に持参し、その意見や修正に応じるようになります。柳も棟方への指導の傍ら、作品を生かす表具の考案にも取り組むなど監修も手掛けました。「何か自分以上の力が背後になって、それが仕事をさせているのを感じているのです」(「棟方と私」1958年)と、柳は棟方の仕事について語っており、美しい工芸品を生み出す肝を仏教の他力道に基づいて説いた持論に基づく、讃美であると考えられています。
本展では、1961(昭和36)年に柳が没するまで、柳が装案を手掛け、棟方が制作した作品を中心に展観します。初出品の水谷頌「布施の柵」を始め、倭画「曇雨御鯉魚」、華厳譜「薬師如来の柵(改刻)」、観音経曼荼羅「阿修羅の柵」、追開心経の柵「自在」などのほか、日本民藝館の開館時に大広間の壁一面を飾っていた「華厳譜」、数十年ぶりに公開される「海山の柵」、「般若心経経文板画柵」など、代表作が集結。加えて、25年間に渡る師弟関係を物語る、2人の間で交わされた書簡を初公開。濃密な関係性や考え方の違いなども探っていきます。作品の魅力とともに背景にも触れられ、奥行きのある作品鑑賞を楽しめます。
展覧会名 | 棟方志功と柳宗悦 |
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会期 | 2018年1月11日(木) 〜 3月25日(日) ※会期中、一部展示替えあり 前期:1月11日(木) 〜 2月12日(月・祝) 後期:2月14日(付水) 〜 3月25日(日) |
休館日 | 月曜日 ※祝日の場合は開館、翌火曜休館 |
時間 | 10:00〜17:00 ※入館は閉館時間の30分前まで |
会場 | 日本民藝館 目黒区駒場4-3-33 >> 会場の紹介記事はこちら |
入館料 | 一般 1,100円、高大生 600円、小中生 200円 |
公式サイト | https://mingeikan.or.jp/ |
問合せ | 03-3467-4527 |
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