仁和寺創建当時の本尊や現存最古の千手観音像など、秘仏や本尊が大集合!
御室桜で有名な仁和寺。光孝天皇が886(仁和2)年に発願し、次の宇多天皇が888(仁和4)年に完成させた真言密教の寺院・仁和寺に伝わる名品と、仁和寺を総本山とする御室派寺院の秘仏や本尊など彫刻66体を含む計174件が一堂に会する大規模な企画展です。
904(延喜4)年、譲位・出家した宇多天皇は仁和寺に御室(僧坊)を造営して、隠棲します。以来、歴代の門主を皇族が担い、皇室の私寺として崇敬されてきました。鎌倉時代以降は、「御室」が仁和寺そのものを示す呼称として用いられるようになり、第二次世界大戦後には近世以前から仁和寺の末寺だった寺院が結集し、全国約790の寺で形成される真言宗一派「御室派」が成立。仁和寺は総本山として一派を統括しています。
本展では、平安時代から続く仁和寺に伝わる仏像や名品、御室派寺院の秘仏などを5章にわたって一挙公開。「第一章 御室仁和寺の歴史」では、歴代天皇に崇敬されてきたことを示す国宝「高倉天皇宸翰消息」などの天皇直筆の書(宸翰)、歴代の肖像画、工芸品、古文書などから歴史を展観します。「第二章 修法の世界」では、仏の力をもって現実世界に様々な影響を与える「修法(しゅほう)」の儀式に関わる仏画や法具が登場。「第三章 御室の宝蔵」では、仁和寺と御室派寺院に伝わる絵画、書跡、工芸を展示。「第四章 仁和寺の江戸再興と観音堂」では、応仁の乱で焼失し、江戸時代に再建された観音堂を33体の安置仏と高精細画像の壁画で再現。僧侶の修行道場として普段は非公開の観音堂内部を体感できます。「第五章 御室派のみほとけ」では、現在約790箇寺ある御室派寺院から本尊や秘仏を含めた多くの仏像などを一堂に公開。奈良時代の様式美を伝える現存最古の葛井寺(ふじいでら)の国宝「千手観音菩薩坐像」、道明寺の国宝「十一面観音菩薩立像」、中山寺の重要文化財「馬頭観音菩薩坐像」などの秘仏、仏像ファンが注目する明通寺の重要文化財「降三世明王立像」などが並ぶほか、仁和寺創建当時の本尊で国宝「阿弥陀如来坐像および両脇侍立像」といった仁和寺由来の仏像も展示されます。
特に、空海の自筆が含まれる国宝「三十帖冊子」は、1月28日(日)までの期間限定ながら、展覧会史上初めての全帖公開となり、必見です。
展覧会名 | 特別展「仁和寺と御室派のみほとけ−天平と真言密教の名宝−」 |
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会期 | 2018年1月16日(火) 〜 3月11日(日) ※会期中、展示替えあり |
休館日 | 月曜日(ただし2月12日は開館)、2月13日(火) |
時間 | 9:30〜17:00(金・土曜日は21:00まで) ※入館は各閉館時間の30分前まで |
会場 | 東京国立博物館 平成館 台東区上野公園13-9 >> 会場の紹介記事はこちら |
観覧料 | 一般 1,600円、大学生 1,200円、高校生 900円 |
公式サイト | https://www.tnm.jp/ |
問合せ | 03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
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