8年ぶりの歌川国貞! 迫力ある大首絵から彫り、摺りの技術にも注目
江戸後期から幕末にかけて活躍した浮世絵師の歌川国貞(三代目歌川豊国)。20代の頃から美人画を描いて人気を博し、晩年は歌川派の総帥として一門を率いました。美人画と役者絵の名手と呼ばれた国貞の1枚摺の大首絵から3枚続きの風俗画まで、多彩な作品を一堂に集めて展観する企画展です。作品の公開は8年ぶり、国貞だけの企画展は22年ぶりの開催となります。
1786(天明6)年に深川で生まれた歌川国貞は、10代半ばで初代歌川豊国に入門し、浮世絵師を目指します。23歳頃から本の挿絵、役者絵、美人画などを手掛け、名が出始めます。27歳で最初の役者大首絵、34歳で最初の美人大首絵を制作。44歳で手掛けた『偽紫田舎源氏』初編(柳亭種彦作)の挿絵で爆発的な人気を博し、「源氏絵」という新ジャンルを生み出しました。59歳で、師匠の名である「豊国」を継ぎ、三代目歌川豊国を襲名。歌川派の総帥となりました。75歳から、役者大首絵シリーズに取り組み、5年間で60図描き上げるなど、最晩年まで制作を続けました。
本展では、ほとんど光に当たることなく保存されてきた錦絵コレクションから国貞の作品のみをピックアップ。前期と後期でほぼすべての作品を入れ替えるため、2度訪れても新鮮な感覚で見られます。保存状態の良さから摺り立てのように鮮やかな色合いが楽しめる点が特徴。「仁木弾正左衛門直則 五代目松本幸四郎 秋野亭錦升 後 錦紅」や「北国五色墨(花魁)」などの有名人物、「当世三十弐相 ゑらい所のお娘御じや相」に描かれているような町娘、「卯の花月」に登場する長屋のおかみさんなど、さまざまな人物を展観できます。また、「星の霜当世風俗(行燈)」や「江戸自慢 四万六千日」のように、江戸の庶民の暮らしや小物などが描かれた作品、さまざまな女性の化粧姿を描いたシリーズの「今風化粧鏡(牡丹刷毛)」、盗賊や謀反人などを役者の見立てで描いた「豊国漫画図絵 袴垂保輔」も登場。
そのほか、顔を画面いっぱいに描く大首絵では、髪の生え際、眉、目、鼻などの細かな線の描写、煙などの「ぼかし」の技術は彫師や摺師の腕の見せ所で、その細かな技は見ごたえがあります。
展覧会名 | 歌川国貞展 〜錦絵に見る江戸の粋な仲間たち〜 |
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会期 | 2018年1月20日(土) 〜 3月25日(日) ※会期中、展示替えあり 前期:1月20日(土) 〜 2月25日(日) 後期:2月27日(火) 〜 3月25日(日) |
休館日 | 月曜日(ただし2月12日は開館)、2月13日(火) |
時間 | 10:00〜16:30 ※入館は閉館時間の30分前まで |
会場 | 静嘉堂文庫美術館 世田谷区岡本2-23-1 |
入館料 | 一般 1,000円、高大生 700円 |
公式サイト | http://www.seikado.or.jp/ |
問合せ | 03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
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