20世紀を代表する作品と、写真の枠を超えた若手の作品が見せる写真の未来
写真が発明されてから200年。技術革新を経て表現形式や制作手法などに変化がおこるなか、現代の視覚文化に大きな影響を与えた写真家、ウィリアム・クライン。1950年代から現在までの彼の作品を俯瞰するとともに、従来の写真の枠組みを越えて制作する日本・アジアの若手写真家たちの作品と対比し、写真の未来を展望する企画展です。
本展ディレクターは、多くの展覧会を企画してきた写真評論家であり、美術史家の伊藤俊治が担当。「エネルギッシュなクラインの写真を核に、21世紀の都市と人間を見つめ、写真の枠を乗り越えてゆこうとする日本とアジアの若いアーティストたちの野心的な試みを対比させてみたいと思った」と目的を語り、その意義を次のようにまとめています。「クラインの足跡を辿ると、ブレボケアレといった画像の揺籃、タイポグラフィとイメージの劇的な新結合、都市の底知れない力を浮上させるコラージュ、壁や建築と写真の融合、ガラスの中に中摺りにされた写真と、様々な視覚実験を繰り返してきました。挑戦してきた数々の試行は、物質と非物質の狭間で大きく揺れ動くイメージの時代の今こそ、再発見しなければならないもののように思います」。
本展では、ニューヨーク、東京などの都市の写真から、地理的・空間的な概念の変容を展観するほか、クラインの作品と若手の作品を対比し、写真の既存概念を多様な方法で飛び越えていく若手写真家のエネルギーにも着目。また、新しいメディアやテクノロジーによる写真表現の可能性にも着目します。
クラインの作品は、写真、映画、グラフィック、コンタクトプリント、写真集、巨大写真などを一堂に集めて展示。また、映像作家TAKCOMがクラインのニューヨークや東京といった都市写真やグラフィックなどを用いて制作したマルチ・プロジェクションも紹介されます。西野壮平は大判のフォトコラージュを、台湾を代表する写真家 沈昭良は写真と映像のインスタレーション、水島貴大は100点以上のカラー写真を展示。そのほか、石川直樹+森永泰弘、安田佐智種、多和田有希、須藤絢乃、勝又公仁彦、朴ミナ、藤原聡志の写真をメインとしたインスタレーションが並びます。
展覧会名 | 21_21 DESIGN SIGHT企画展 「写真都市展 ―ウィリアム・クラインと22世紀を生きる写真家たち―」 |
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会期 | 2018年2月23日(金) 〜 6月10日(日) |
休館日 | 火曜日(ただし5月1日は開館) |
時間 | 10:00〜19:00 ※入場は各閉館時間の30分前まで |
会場 | 21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー1&2 港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン |
入場料 | 一般 1,100円、大学生 800円、高校生 500円 |
公式サイト | www.2121designsight.jp |
問合せ | 03-3475-2121 |
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