伝統や木造文化など古代から受け継がれる要素に着目!
古代からの自然観や暮らしを踏まえながら、明治以降、近代化が進むにつれて発展していった日本の建築を、いくつかの特質ごとに掘り下げながら読み解き、未来像を探る企画展です。
本展では、日本の建築を9つの特質で捉え、章として掘り下げて考察します。「1章 可能性としての木造」では、日本の風土から生まれた木の文化に着目。「2章 超越する美学」では、もののあはれ、無常など、超越的な日本の美意識が焦点です。「3章 安らかなる屋根」では、自然環境に合わせて機能的かつ安心感を人々に与えてきた屋根が内包する可能性に迫ります。「4章 建築としての工芸」では、匠の技や意匠から継承されてきた“ものつくり”が近現代の建築にどのように受け継がれているか、「第5章 連なる空間」では、実用性が見た目の美しさにもつながる建築を各建築家の作品から展観。「第6章 開かれた折衷」では、世界を一周した建築家・伊藤忠太の建築模型などの資料から、近代以降に自国の建築を模索した様子を探り、「第7章 発見された日本」で、フランク・ロイド・ライトから現在第一線で活躍する作家まで、国外の作家が創造的に捉えた日本像を紹介します。「第8章 集まって生きる形」では、雪害や福祉など、社会問題と向き合った建築事例を展示。最後の「第9章 共生する自然」で、自然に畏怖の念を抱き、信仰の対象としてきた自然観がどのように反映されてきたかを考察し、日本の自然観を未来へ伝えていく章となっています。
建築の歴史を複層的に見て行けるように、江戸時代の大工棟梁に伝わった秘伝書、明治初期の建築模型、大正〜昭和初期の学術模型、戦前にシャルロット・ペリアンが東北の農民の生活改善のために、藁でデザインした寝椅子など、さまざまな時代の資料が一堂に集結。また、日本最古の茶室建築で、千利休の作と伝えられる国宝《待庵》を原寸で、広島平和記念公園など、戦後の国家的プロジェクトを牽引した建築家・丹下健三の《自邸》は1/3スケールの巨大模型で再現。
剣持勇や長大作などのオリジナル家具を集めて実際に座ることができるラウンジや、メディアアートで知られるライゾマティクスを率いる齋藤精一がレーザーファイバーで名建築を再現した新作のインスタレーションなど、多岐にわたる展示で現代の日本の建築が持つ魅力をじっくりと展観できます。
展覧会名 | 六本木ヒルズ・森美術館15周年記念展 建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの |
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会期 | 2018年4月25日(水) 〜 9月17日(月・祝) |
休館日 | 会期中無休 |
時間 | 10:00〜22:00(火曜日は17:00まで) ※入館は閉館時間の30分前まで |
会場 | 森美術館 港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階 >> 会場の紹介記事はこちら |
入館料 | 一般 1,800円、高大学生 1,200円、4歳〜中学生 600円、65歳以上 1,500円 |
公式サイト | www.mori.art.museum |
問合せ | 03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
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