老舗ジュエリーブランドの歴史から宝飾の魅力やパリのスタイルを探る
1780年創業のハイジュエリーブランド「ショーメ(CHAUMET)」。ナポレオンの御用達であり、多くの王侯貴族に愛された作品を展観しながら、約240年を誇る老舗の歴史とパリの洗練された装飾芸術に迫る日本初の企画展です。
パリのヴァンドーム広場を拠点とする五大宝飾店の中でも、長い歴史を誇るショーメは、ナポレオンが初代皇帝に即位したときの戴冠式の王冠、オーストリアの皇女マリー=ルイーズの宝飾品なども手掛けています。マリ=エティエンヌ・ニト(1780〜1809)、フランソワ=レニョー・ニト(1809〜1815)、ジャン=バティスト・フォサン(1815〜1845)、ジョン=ヴァランタン・モレル(1834〜1840)、ジュール・フォサン(1845〜1861)、プロスベール・モレル(1861〜1889)、ジョゼフ・ショーメ(1889〜1928)、マルセル・ショーメ(1928〜1958)と代を重ねてアトリエをまとめてきました。一貫して伝統を重んじながらも変化を恐れずに革新を続け、時代ごとに魅力の異なる作品を生み出しています。ロマン主義、ジャポニスム、アール・デコなどの芸術様式も研究し、積極的に作品に取り入れました。
本展では、18世紀から現代までの宝飾品、工芸品、絵画、デザイン画、写真など約300点を一堂に集め、メゾンの歴史を紐解きます。
展示は、「ティアラの芸術」、「統治者の選ぶもの」、「想いをあらわすジュエラー」、「自然の歴史」、「ショーメと日本」の5つの章で展開。ジュエラーの芸術の頂点であるティアラは、ナポレオンの妹でナポリ王妃のカロリーヌ・ミュラのバンドー・ティアラや、ウェンデル家によって注文されたアール・デコ様式を予告するティアラなど約40点が並びます。
皇帝ナポレオン1世より贈呈された教皇ピウス7世のティアラなど高貴な人々が使用したもの、シュルレアリスムのスタイルで制作されたタコのネックレスや、心の結びつきを象徴した「タータンチェックのリボン」ブローチ、創業から大切にしてきた“自然主義”のテーマに基づき制作された「麦をモティーフのネックレス「夏の贈り物」」など、技術力の高さ、デザインの発想のユニークさが感じられる作品も多数展示。19世紀半ばのジャポニスムに着想を得てから今日まで続く、日本的な意匠の作品も紹介されます。特に「日本に着想を得たネックレス」は、同展のために特別に制作されたもので、西洋と日本文化の結びつきを表しています。時代とともに海外へと目を向けて文化的影響を受けながらも、独自のパリのスタイルを広げ、宝飾の歴史の一翼を担っていく過程がたどれます。
展覧会名 | ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界 1780年パリに始まるエスプリ |
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会期 | 2018年6月28日(木) 〜 9月17日(月・祝) |
休館日 | 月曜日 ※ただし7月16日、9月10日、9月17日と、トークフリーデーの7月30日、8月27日は開館 |
時間 | 10:00〜18:00 ※金曜、第2水曜、9月10日〜13日は21:00まで ※入館は閉館時間の30分前まで |
会場 | 三菱一号館美術館 千代田区丸の内2-6-2 >> 会場の紹介記事はこちら |
入場料 | 一般 1,700円、高大生 1,000円、小中学生 500円 |
公式サイト | https://mimt.jp |
問合せ | 03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
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