寺外初公開の秘仏も!快慶や弟子たちによる鎌倉彫刻の競演
千本釈迦堂の名で親しまれる、京都にある大報恩寺。2020年に開創800年となる歴史を持つ古刹には、快慶の一番弟子、行快が制作した本尊「釈迦如来坐像」や、快慶が制作した「十大弟子立像」など、鎌倉時代の名匠による彫刻が多数残されています。同寺でも年に数回しか公開されない秘仏である本尊を含め、鎌倉彫刻の名品を展観する企画展です。
1220(承久2)年、義空上人によって発願された真言宗智山派の寺院である大報恩寺。貴族から庶民まで幅広い信仰を集め、釈迦信仰の中心地となりました。本尊「釈迦如来坐像」が祀られる本堂は、応仁の乱などの戦火を免れた洛中最古の木造建造物として国宝に指定されています。「おかめ」発祥の地としても知られ、縁結び、夫婦円満、子授けにご利益があるといわれています。
本展では、秘仏の本尊「釈迦如来坐像」の寺外初公開を目玉に、鎌倉彫刻の名品を紹介。本尊は、快慶の作風に学んで切れ長で力強い目をもつ顔立ちが特徴で、運慶、快慶の次世代の仏師として京都、奈良で広く活躍した行快の実力を間近でじっくり見られます。通常は霊宝殿に安置されている「十大弟子立像」は、晩年の快慶が制作した重要文化財指定の名品。開創当初は、本堂に本尊と一緒に安置されていたと伝えられており、本展では同じ空間で特別展示されます。
また、運慶の晩年の弟子である肥後定慶が41歳の時に制作した「六観音菩薩像」も紹介。重要文化財に指定されている唯一の六観音で、運慶の作風を受け継ぎながらも、複雑に折りたたまれる衣や絡まりあう装飾的な髪形などに個性が見られます。同展では、10月28日までは光背つき、10月30日から光背のない姿で紹介し、必見です。台座も光背も造像当初の精緻な彫りを展観できます。
同寺に伝わる快慶、定慶、行快ら「慶派」と呼ばれる名匠の彫刻が集う希少な機会となります。
展覧会名 | 特別展「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」 |
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会期 | 2018年10月2日(火) 〜 12月9日(日) |
休館日 | 月曜日(ただし10月8日は開館)、10月9日(火) |
時間 | 9:30〜17:00 ※ただし、金曜・土曜、10月31日、11月1日は21:00まで ※入館は各閉館時間の30分前まで |
会場 | 東京国立博物館 平成館 特別第3・4室 台東区上野公園13-9 >> 会場の紹介記事はこちら |
観覧料 | 一般 1,400円、大学生 1,000円、高校生 800円、中学生以下無料 |
公式サイト | https://artexhibition.jp/kaikei-jokei2018/ |
問合せ | 03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
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