ルーベンス展―バロックの誕生

自らも影響を受け、その発展にも貢献したイタリア・バロックとの関係に注目

17世紀のヨーロッパを代表する画家として知られるペーテル・パウル・ルーベンス。当時流行した壮麗華美な美術様式「バロック」であるイタリアに憧れ、現地に滞在してその美術を吸収し、自らの表現を発展させました。巨匠の画業に影響を与えた古代彫刻やイタリア・バロックの芸術家たちとの関係に注目し、その影響を探る企画展です。

1577年、現在のドイツに生まれ、当時はスペイン領だったアントウェルペンで育ちました。由緒ある家柄だったため、宮廷に仕えるべく高度な教育を受けますが、画家を志望して修業を始めます。1598年、21歳でアントウェルペンの画家組合に親方画家として登録。1600年から8年間イタリアに滞在し、古代美術、ルネサンス美術、バロック美術などを学び、大きく成長します。1609年、ブリュッセル大公夫妻の宮廷画家となり、規模の大きな工房を構えて制作活動を行う傍ら、スペインやイギリスなどに赴いて外交官としても活躍。各地の宮廷コレクションを研究し、光と動きのある表現で当時のヨーロッパを代表する画家となりました。

本展では、7章に渡ってルーベンスとイタリア・バロックの関係性に迫ります。「1章 ルーベンスによる古代美術とイタリア美術の学習」では、古代彫刻や16世紀の作品の模写や、先行する時代の美術を研究した成果が表れている作品に注目。「2章 英雄としての聖人たち:宗教画とバロック」では、宗教画を描く際に参考にした作品や彼が影響を与えたイタリアの作品などが登場。「3章 肖像画」では、最初の妻との間に生まれた長女の肖像画《クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像》や早世した兄の子どもと考えられている《眠る二人の子供》など、多様な肖像画が展示されます。「4章 ルーベンスの筆さばき:速筆が画面にもたらす活力」では、ルーベンスの伝記作者によって記された「絵筆の熱狂」という言葉に沿って、濃密で生き生きとした動きに焦点を当て、《サウロの改宗》や《パエトンの墜落》などを展観。「5章 ヘラクレスと男性ヌード」では、《ファルネーゼ家のヘラクレス》などの古代彫刻に理想の男性像を見出したルーベンスが描く男性ヌードを中心に、イタリアの画家たちによる作品も交えて展示します。「6章 ヴィーナスと女性ヌード」では、女性ヌードを特集。「7章 神話の叙述」では、古代彫刻とともに《エリクトニオスを発見するケクロプスの娘たち》や《マルスとレア・シルウィア》などの神話をテーマとする作品を紹介。
 イタリアの芸術を取り入れながら、自分の表現をまとめ上げた過程を読み解く奥深い内容となっています。

ペーテル・パウル・ルーベンス《クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像》1615-16 年 油彩/板で裏打ちしたカンヴァス ファドゥーツ/ウィーン、リヒテンシュタイン侯爵家コレクション ©LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna
ペーテル・パウル・ルーベンス《キリスト哀悼》1603年 油彩/カンヴァス ローマ、ボルゲーゼ美術館 Ministero dei beni e delle attività culturali e del turismo - Galleria Borghese
ペーテル・パウル・ルーベンス《眠る二人の子供》1612-13 年頃 油彩/板 東京、国立西洋美術館

ペーテル・パウル・ルーベンス《パエトンの墜落》1604 / 05年 油彩/カンヴァス ワシントン、ナショナル・ギャラリー National Gallery of Art, Washington, Patron's Permanent Fund, 1990.1.17
ペーテル・パウル・ルーベンス《マルスとレア・シルウィア》1616-17 年 油彩/カンヴァス ファドゥーツ/ウィーン、リヒテンシュタイン侯爵家コレクション ©LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna
開催概要
展覧会名 ルーベンス展―バロックの誕生
会期 2018年10月16日(火) 〜 2019年1月20日(日)
休館日 月曜日(ただし12月24日、1月14日は開館)、
12月28日(金)〜1月1日(火・祝)、1月15日(火)
時間 9:30〜17:30(11月17日を除く金・土曜日は20:00まで)
※入館は閉館時間の30分前まで
会場 国立西洋美術館
台東区上野公園7-7
観覧料 一般 1,600円、大学生 1,200円、高校生 800円
公式サイト http://www.tbs.co.jp/rubens2018/
問合せ 03-5777-8600(ハローダイヤル)
2018年10月更新