浮世絵から探る、現代の食文化のルーツ
ユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」。多様な調理技法やグルメは、経済発達と成熟した社会となった江戸時代に大きく飛躍しました。浮世絵を通して、料理に対する工夫や料理名のこだわり、生産の現場など江戸の人々が楽しんだ食の営みを紐解きます。
戦国時代が過ぎ、江戸時代に入ると安定した社会のもと、農業や漁業が活発化していきます。生産する種類も量も増加し、食を支える産業が発展していきました。徐々に食を楽しむ余裕が生まれた人々は、料理に工夫を凝らし、こだわりの調理技法を編み出します。料理書や高級料理屋が登場する一方で、スイーツやファストフードを庶民が楽しむなど、広く食文化が磨かれていったのです。
本展では、4章に分けて展示を構成。「1章 江戸グルメ繁栄の背景」では、江戸時代に発展した漁業や農業に携わる人々を描いた浮世絵を紹介。漁師が網を引き揚げている様子を描いた「千絵の海 総州利根川」(前期)、稲の脱穀風景をスケッチした『北斎漫画』三編(通期)などが展示されます。「2章 江戸の食材」では、魚や野菜などを精緻に描いた作品に注目。細部まで目を向ける北斎一門のまなざしを通して描かれた「鮟鱇図(あんこうず)」(前期)のリアルな描写は必見です。「3章 江戸の料理帖」では、調理する人が登場。様々な豆腐料理を紹介する『豆腐百珍』などの料理本の紹介コーナーでは、掲載されている料理を再現したレプリカも展示し、当時の調理の雰囲気が味わえます。「4章 江戸の人気料理」では、寿司や蕎麦などのグルメから、料亭の逸品まで、当時の人気グルメを一挙紹介。食材からその生産現場、ファストフードから高級料理まで、北斎の浮世絵を通じて食文化を覗きます。
展覧会名 | 大江戸グルメと北斎 |
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会期 | 2018年11月20日(火) 〜 2019年1月20日(日) ※会期中、展示替えあり 前期:11月20日(火) 〜 12月16日(日) 後期:12月18日(火) 〜 1月20日(日) |
休館日 | 月曜(祝日の場合は翌平日)、12月29日(土) 〜 1月1日(火・祝) |
時間 | 9:30〜17:30 ※入館は閉館時間の30分前まで |
会場 | すみだ北斎美術館 墨田区亀沢2-7-2 |
入館料 | 一般 1,000円、高大生・65歳以上 700円、中学生 300円、小学生以下無料 |
公式サイト | http://hokusai-museum.jp/gourmet/ |
問合せ | 03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
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