風景写真のカリスマ、マイケル・ケンナの代表作から初公開作品まで
世界屈指の風景写真家として知られるイギリス人フォトグラファー、マイケル・ケンナ。その45年のキャリアの中から選りすぐった代表作をはじめ、初の人物を被写体にした「裸婦-ヌード」の新作までを紹介する、日本初の回顧展が「東京都写真美術館」で開催されます。
1953年、イギリスで生まれ、London College of Printingで写真を学んだ後渡米、現在はシアトルを拠点に活動するケンナ。時に長時間露光を駆使し撮影される神秘的なモノクロームの諧調と、正方形のフォーマットを特徴とする写真家で、北海道屈斜路湖で撮影された、“ケンナの木”の愛称で呼ばれる作品が特に有名です。その静謐で叙情を湛えた芸術性の高さから、ケンナのプリント作品は、ロンドンの「ビクトリア&アルバート美術館」や「サンフランシスコ近代美術館」をはじめ、世界各国の著名美術館に収蔵されています。
本展では、45年に渡るキャリアの集大成として、世界各地で撮影された代表作100点を選りすぐって展示。その中には、長年にわたり毎年のように訪れた日本の写真も数多く含まれます。
また、風景描写のみならず、原発や廃れゆく工場地帯など数々の社会的なテーマにも取り組んできたケンナが、約12年の歳月をかけてナチスドイツの強制収容所跡を撮影し、300点のプリントとネガをフランス政府に寄贈し芸術文化シュヴァリエ章を受章した連作《Impossible to Forget》も、日本で初めて公開されます。
さらに興味深いのは、被写体に「人物」を選んだ「裸婦-ヌード」の最新作。この10年にわたり日本の古い家屋で撮影されたヌードの連作で、本年11月のパリでの世界初公開に続き、本展で日本初お披露目となります。風景写真のカリスマが切り取る初めての人物像とあって、注目が集まりそうです。
プリント技術の高さにも定評のあるケンナですが、出展される全169点の作品は、すべて作家自身が暗室で現像したオリジナルプリントとのことで、一つひとつ作品にかける愛情の深さや完成度の高さを観るうえでも、貴重なレトロスペクティブとなる事でしょう。
展覧会名 | マイケル・ケンナ写真展 A 45 YEAR ODYSSEY 1973-2018 |
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会期 | 2018年12月1日(土) 〜 2019年1月27日(日) |
休館日 | 月曜日(ただし12月24日、1月14日は開館)、 12月25日(火)、12月29日(土)〜1月1日(火・祝)、1月15日(火) |
時間 | 10:00〜18:00(木・金は20:00まで) ※12月28日(金)・1月4日(金)は10:00〜18:00、1月2日(水)・3日(木)は11:00〜18:00 ※入館は閉館時間の30分前まで |
会場 | 東京都写真美術館 地下1階展示室 目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内 >> 会場の紹介記事はこちら |
入館料 | 一般 1,000円、学生 800円、中高生・65歳以上 600円 ※小学生以下、都内在住・在学の中学生および障害をお持ちの方とその介護者は無料 ※第3水曜日は65歳以上無料 |
公式サイト | http://www.artunlimited.co.jp/mk45-year-odyssey/ |
問合せ | 03-6805-5280(主催:アートアンリミテッド) |
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