天台宗を日本に広めた名僧・最澄の1200年大遠忌記念
寺外初公開を含む天台ゆかりの秘仏や名宝が全国から集結
「悟りに至る道はすべての人に開かれている」という平等思想を説いた『法華経』に心惹かれ、この教えをいしずえとする天台宗を日本で広めた最澄(767〜822)。その1200年大遠忌を記念し、天台宗の総本山であり、多くの高僧を輩出した比叡山延暦寺の宝物をはじめ、全国各地の天台宗諸寺院等が守り伝えてきた秘仏や文化財の数々を、一挙に紹介する展覧会が開催。全国3つの国立博物館を巡回する。
本展では、寺外初公開を含む天台ゆかりの秘仏が全国から集結。中でも、展覧会史上初出展となる《慈恵大師(良源)坐像》(東京・深大寺蔵)は日本最大の肖像彫刻として知られ、本展出品により、205年ぶりの出開帳を果たす。その他にも寺外初公開となる《阿弥陀如来立像》(京都・真正極楽寺(真如堂)蔵)、《薬師如来坐像》(岐阜・願興寺(蟹薬師)蔵)や《薬師如来立像》(京都・法界寺蔵)もお目見え。これだけの秘仏が一堂に会するのは、1200年大遠忌の記念展だからこそ実現できることで、本展の大きな特長といえる。
また、国宝《聖徳太子及び天台高僧像》(兵庫・一乗寺蔵)は東京会場でのみ十幅全てが展示。現存最古の最澄の肖像画を含む、インド・中国・日本の天台ゆかりの人物たちを描いた大変貴重な平安絵画で、全十幅の同時公開は、11月2日(火)〜11月7日(日)の6日間限定となっている。さらに、現存する唯一の最澄自筆の手紙とされる国宝《
そして、比叡山延暦寺の総本堂「根本中堂」の一部を再現した展示にも注目。「根本中堂」は最澄が建てた草庵に始まり、内陣の中央には最澄自作と伝わる秘仏薬師如来像と、最澄が灯して以来消えたことのない「不滅の法灯」が安置されている。秘仏本尊、「不滅の法灯」と参拝者が同じ高さに位置するという、仏堂としてはきわめて珍しい構造となっており、誰もが仏になれるという『法華経』の精神を体感することができる。
「東の比叡山」寛永寺の所在地である上野で開催される本展。東国を中心に全国に浸透した天台宗の精華、そして徳川家の庇護のもと生み出された華麗な江戸天台の名宝にも注目したい。
展覧会名 | 伝教大師1200年大遠忌記念 特別展「最澄と天台宗のすべて」 |
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会期 | 2021年10月12日(火)〜11月21日(日) ※会期中、一部展示替えあり |
休館日 | 月曜日 |
時間 | 9:30〜17:00 ※入館は閉館時間の30分前まで |
会場 | 東京国立博物館 平成館 台東区上野公園13-9 |
観覧料 | 【前売日時指定】一般 2,100円、大学生 1,300円、高校生 900円 【当日】一般 2,200円、大学生 1,400円、高校生 1,000円 ※中学生以下無料(無料日時指定券の予約が必要) ※事前予約制 ※来館時、当日券は販売終了している可能性あり ※詳細はこちらをご確認ください |
公式サイト | https://tsumugu.yomiuri.co.jp/saicho2021-2022/index.html |
問合せ | 050-5541-8600 (ハローダイヤル) |
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