構想から60年、凱旋門をラッピングする壮大なプロジェクト
現代美術作家クリストとジャンヌ=クロードの構想から60年。準備には1,200名以上、120名のクライマーがラッピングに作業に携わり、16日間に渡る会期中には約600万人が鑑賞した壮大なプロジェクト「L'Arc de Triomphe, Wrapped, Paris, 1961-2021(包まれた凱旋門)」。その制作背景と実現に向けた長い道のりに焦点をあてた展覧会が両者の誕生日である6月13日に開幕した。
2021年9月、エトワール凱旋門が再生可能な銀色のコーティングが施された青い布25,000uと、3,000mもの赤いロープで包まれると、周囲の人々は歓声をあげた。クリストとジャンヌ=クロードが出会い、創造活動の一歩を踏み出したパリで1961年に構想し、悲願の夢でもあったプロジェクトが現実のものとなった瞬間だ。
本展は、「包まれた凱旋門」をさまざまな視覚手法で再構成する空間インスタレーションを中心に展開する。映像作家パスカル・ルランにより制作された映像は、構想から、準備、交渉、実現までの約60年という長い道のりを、一本の映画の中にいるように、ダイナミックな空間を通して体験できるものだ。プロジェクトのために製作した銀色のコーティングが施された青い布と赤いロープも展示している。あわせて、凱旋門の模型とともに、「包まれた凱旋門」の準備を行うクリストの様子を映像で紹介する。
2009年にジャンヌ=クロードが逝去した後も、二人が夢見たプロジェクトの実現に向けて、クリストは創作活動を続け、「包まれた凱旋門」のプロジェクトにとりかかる。しかしながら、パンデミックにより延期となった最中にクリストは逝去。その後、多くの賛同者の協力のもと、長い歳月をかけて、ようやく実現の日を迎えた。
ぜひ、展示スケールの大きさとともに、様々な困難を乗り越えて実現へと向かう、ポジティブで力強い姿勢も感じ取ってほしい。夢の実現に向けた彼らの姿勢は、アートやデザインのみならず日常におけるチャレンジにも勇気を与えてくれるだろう。
展覧会名 | クリストとジャンヌ=クロード "包まれた凱旋門" |
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会期 | 2022年6月13日(月)〜2023年2月12日(日) |
休館日 | 火曜日、12月27日(火)〜1月3日(火) |
時間 | 10:00〜19:00 ※入場は閉館時間の30分前まで |
会場 | 21_21 DESIGN SIGHT 港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン >> 会場の紹介記事はこちら |
入場料 | 一般 1,200円、大学生 800円、高校生 500円、中学生以下無料 ※ギャラリー3は入場無料 |
公式サイト | http://www.2121designsight.jp |
問合せ | 03-3475-2121 |
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