“古いモノを新しく魅せる”リ・デザインの殿堂

JPタワー学術文化総合ミュージアム「インターメディアテク」(丸ノ内)

  • 2013/12/24
  • カルチャー
  • 博物館
インターメディアテク

今も昔も旅人の玄関口、東京駅。丸の内に面した東京中央郵便局舎は1931(昭和6)年に建てられた歴史あるビル。2013年にJPタワーに生まれ変わり、新たに日本郵便と東京大学総合研究博物館が共働で運営する博物館「インターメディアテク(IMT)」が現れた!

壁が丸ごとドアになった入口からしてユニーク。インフォメーション横の白いロビーには、マチカネワニの化石、竜とドクロの額縁が独特な東大最古の肖像画などが展示され、邸宅のような雰囲気。作品説明は壁に小さく掲示されており、美観を損なわない。
 常設展示エリアは、旧郵便局舎の木製床、東大で使われていた戦前木製什器を再利用。アンティークながら新しさも感じる独特の雰囲気が心地良い。セットでの展示は国内初というミイラと木棺、ペルーの墳墓から出土した南北アメリカ大陸最古の金製王冠、魚から動物までそろった骨格標本、動物の剥製、昆虫・貝・岩石標本、木製の人体内臓標本などが所狭しと陳列されている。その多彩ぶり綿密ぶりは収蔵庫のよう。アラ、カサゴ、イシダイなどの魚の骨は泳ぐように縦に展示され、18体の蛙の骨は1つのケースに密集、絶滅した巨大鳥エピオルニスとダチョウの骨格は並列展示と、見せ方にもインパクトがある。爆心500mから回収した被爆標本「長崎浦上天主堂の獅子頭」も見逃せない。1つひとつに思わず見入ってしまう。

3Fへ上ると、まず目に入るガラスで囲われた中に鳥の剥製が並ぶ収蔵展示エリア。紫、緑、黄色、赤とカラフルなアカコキンチョウ、1m以上の長い尾が垂れる土佐長尾鶏など、山階鳥類研究所のコレクションが一望できる。昭和天皇の旧蔵品も含まれているのも興味深い。
 隣は準常設展示エリア。2Fと同じようなレトロな雰囲気の中、20羽の鶏の剥製、ナナフシの標本、幕末の医療器具、マリの木琴やリュート、三角カムなどの工学模型、現代アート的な石膏で作られた幾何関数実体模型コレクションなど、明治から現代までのモノをランダムに楽しめる。

一般的な博物館とは違い、ふらりと訪れて心の赴くままに練り歩いてもどれかの展示物が何かしらのインパクトを放つ。蔵からお宝を見つけるような探検気分が、学生、ワーカー、女性グループ、老夫婦に至るまで多くの人をひきつけている。

入口KITTEの2Fへ上がるとすぐ正面に入口が現れる。壁をそのままドアにした造りは、隠し扉の向こうを探検するような雰囲気。順路は決まっていないため、3Fからも入場は可能だ。
ホワイエホワイエと呼ばれるロビーエリア。3Fへと向かう階段の横にある大型骨格標本は30〜50万年前にいた世界最大のマチカネワニの骨格標本。中ほどのガラス玉の中には小指の爪先ほどの極小貝が展示されている。
2Fの常設展示スペース2Fの常設展示スペース。旧東京中央郵便局舎の集配業務室のスペースをそのまま活用しており、66mにも及ぶ大空間に大型動物の骨格標本や、帝国大学時代の重厚な木製棚が並ぶ。レトロ・モダンな雰囲気でタイムスリップした気分に浸れそう。
レクチャーシアター「ACADEMIA」ACADEMIAと名付けられたレクチャーシアター。明治・大正時代の大学の講義室や議事堂のような重厚な雰囲気が漂う。キュレーターや東大教員などによるレクチャー、記録映画の上映、蓄音機による音楽会などのイベントを随時実施。
2Fの奥にある企画展スペース2Fの奥にある企画展スペース。19世紀の内装で統一された常設展示とは一変して、白壁のモダンな空間。取材時は、旧東京中央郵便局舎からインターメディアテクを建設する際に出た蝶番やガラス、工事中の写真などを展示していた。

基本情報

名称 JPタワー学術文化総合ミュージアム「インターメディアテク」
所在地 千代田区丸の内2-7-2 JPタワー2・3F
電話番号 03-5777-8600(ハローダイヤル)
料金(税込) 入館無料
営業時間 11:00〜18:00(金・土は20:00まで)
※最終入館は閉館30分前まで
休館日 月曜(休日の場合、翌火曜)、年末年始、施設整備日
アクセス 丸の内線「東京駅」直結
JR「東京駅」徒歩1分
公式サイト http://www.intermediatheque.jp/

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