街のベーカリー特集

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ブラン(虎ノ門)
Blanc

ブラン料理人やパティシエの経験もある和田氏

虎ノ門駅から虎ノ門ヒルズへ向かう途中の路地裏にある「ブラン」。パン職人の和田尚悟氏と、料理人の大谷陽平氏が立ち上げたブーランジェリー&ビストロだ。ベーカリーが少ない、虎ノ門エリアで本格的なパンが朝7時から購入できるとあって、瞬く間に人気店に。ランチ時はもちろん、夕方に残業用や翌朝のパンを購入していくワーカーも多い。

店内ビストロオープン前の朝9時までは店内にパンが並ぶ

日替わりのサンドや、クリームパンなどの菓子パンを含め20種類ほどが日々並ぶ。季節商品は月に5種類ほど。スペシャリテは、カンパーニュ“瓦”。オープン時に粉から起こしたルヴァン種で作られ、さっぱりした食味と軽い酸味が料理に合う折り目正しい食事パンだ。「粉と同じ量の水で生地を作り、一晩じっくり寝かせてから焼き上げます。そうすると日本人が好む、外はカリッと、中がしっとりに仕上がるんです」と和田氏。外国産の小麦粉はバリッと皮が固く軽い食感だが、国産小麦は吸水率が高く、しっとりした食感になるという。
 モチッとした食感が人気の牛乳パンでは、粉に対して110%も牛乳を投入。優しい香り、ほのかに甘い味わいは朝の食卓にも似合う。

瓦(カンパーニュ)ホールだとA4サイズほどの大きさを誇る“瓦”

コミュニケーションの取りやすさを意識し、敢えて約8坪のスペースにオープンした同店。ビストロ開店後は、右手のスタンドでパンを販売する。ランチでは、プラス100円で6種類以上のパンが食べ放題、ディナーでも食べられ、食事と合わせる楽しみもバッチリ。
 一見普通に見えて、食べるとビックリする斬新な発想のパンも。コーヒーに和菓子を合せるのが好きなことから考案したコーヒー生地の粒あんパン。全面的に風味を感じられるようアールグレイを煮出して粉に混ぜ合わせた「いちじくとアールグレイ」。生ハムをバランスよく入れるため、生地に練り込んだ食パン(イベント時限定発売)など、ちょっと食べてみたいとそそられるものが多い。
 中でもオススメは、“瓦”の美味しさをじっくり味わえるサンド。フランス産の白カビチーズ「ブリ・ド・モー」が入ったサンドは、あえて熟成したものを仕入れているというチーズのトロッとした具合に心も溶けそう。クルミ、ハチミツ、黒胡椒の塩梅も良く、ワインがほしくなること請け合いだ。クリームパンも侮るなかれ。希少なトンカ豆の杏仁のような甘い香りは癒しにも。クリームはお菓子のそれよりも、ぽってりした食感で食事に近い重さがあり、しっかり甘いものを食べている満足感を味わえる。
 「パンの製法や材料、手順にこだわらず、バランスのとれた美味しいものを作る。独り善がりだと視点が偏りますが、大谷さんと2人なので、その都度修正しながら進んでいます」。大谷氏と和田氏が二人三脚で取り組む姿こそ、同店のパンを美味しくさせている一番の隠し味だ。「既成概念にとらわれず、自分の中のバランス感覚を大切にしながら作っているので、パン文化で育った外国人に美味しいと受け入れられるとうれしいですね」。料理よりも安価で試しやすいパン。構えて食べないからこそ、新しい味や美味しさがインパクトになる。そんな出会いをぜひ体験してみてほしい。

フランス産チーズ「ブリ・ド・モー」とクルミのサンド、瓦(カンパーニュ)、いちじくとアールグレイ手前から、フランス産チーズ「ブリ・ド・モー」とクルミのサンド、瓦(カンパーニュ)、いちじくとアールグレイ
牛乳ぱん、クリームパン左から、牛乳ぱん、クリームパン

BEST CHOICE!

瓦(カンパーニュ)
ホール1,800円、1/2 900円、1/4 450円
フランス産チーズ「ブリ・ド・モー」とクルミのサンド 蜂蜜と黒こしょうのアクセント
680円
牛乳ぱん
350円
いちじくとアールグレイ
280円
クリームパン
200円
ブラン(Blanc)
店舗外観
港区虎ノ門1-11-13 [MAP]
03-6273-3164
モーニング
7:00〜9:00
ランチ
11:30〜14:30(L.O. 14:00)
ディナー
18:00〜22:45(L.O. 22:15)
定休日 第一・第三土曜、日、祝
webサイト
2017年9月取材/2017年10月更新