こだわりの十割そばと野菜料理でもてなす、西麻布・テレ朝通りの「たじま」。白壁に覆われたシンプルな外観は、一見、ギャラリーのような趣きで、道行く人の興味をひく。

蕎麦匠・田島基行さんが、自ら石臼を挽き、打つそばは、“ぷりっ”と弾むような食感と、繋ぎナシの十割には珍しい、ゴツゴツしない滑らかな喉越しが身上。殻をむいたそばの実は、即座に真空保存して、風味を褪せさせない工夫も凝らすという。3日寝かしてまろみを帯びたつゆで“つるり”と手繰れば、深いそばの香りが鼻を抜ける。

昼の献立は、自慢のそばに、野菜料理と季節のご飯をプラス。この日は、師走の滋味を味える｢根菜の煮物｣と｢大豆と黒豆のご飯｣がお目見えした。野菜料理を前座に、逸品そばで締める、大人のためのシンプルな贅沢を堪能する。

そばは、｢もり｣と｢かけ｣から選べ、別途追加料金で、鴨汁や小海老かき揚げそばにバージョンアップもできる。

1. 夜は、コストパフォーマンス抜群のプリフィクスコースがおすすめ（税込3,090円〜）。おかわり1回無料の蕎麦をメインに、今月の野菜小鉢から3品を、野菜料理から１品を選ぶ。この他、仕込みに3日かけたニシンなど“蕎麦屋の肴”もそろい、酒がすすむ
2. 白い壁に掲げた看板は見逃しそうなほどひかえめ