西麻布交差点近くにある「嶮暮帰（ケンボッケ）」。インド人シェフが手掛ける本格北インドカレーは、多様なスパイスが織りなす奥深さが魅力。数十年通い続ける常連も多い。

1985（昭和60）年の創業以来、ラホトラシェフがインド直輸入のものも含めた24種類のスパイスをオリジナルで調合。5〜6時間炒めた玉ねぎとミックスして特製ルーを作り上げる。鶏肉は焼き鳥専門店と同レベルのものを仕入れ、素材の良さをそのままカレーに昇華。

ランチはチキン（税込700円）、豚ひき肉とナス（税込800円）、エビ（税込900円）の3種類。コシヒカリのご飯も選べるが、ナンの希望者が圧倒的とか。カレーは、黒豚ひき肉のジューシーさを感じつつも油分控えめでアッサリした味わい。玉ねぎの甘味がじんわりと広がり、所々に入った生姜の千切りがシャキシャキ感を出す。辛さは強くなく食べやすい味だ。
辛党には、複数のスパイスで作った辛味ペーストを小皿で提供してくれるので、ぜひリクエストを。酸味と爽やかさの後から猛烈な辛味が襲ってくるが、カレーと合わせると深みがアップする。

本物の絵画に囲まれたシックな店内で食べるもよし、持ち帰るもよし。上質なスパイスでヘルシーランチといきたい。

1. 夜メニューのチキンバタークリーム（税抜1,900円）は、同店で一番の人気メニュー。製菓用の生クリームとたっぷりのバターで作り上げるルーは、とろけるような滑らかさで滋味深く美味しい。ランチもアラカルトで注文でき、消費税分の割引とナンがサービスされる
2. 明治時代の陶器、ローランサンや平山郁夫の絵画などが随所に飾られた店内は、黒を基調としたシックなスタイル。ほとんどの人が読めないであろう店名は、オーナーが北海道に所有している島名から来ているという
3. ムンバイにある名門「タージマハル・ホテル」出身のラホトラシェフ。本物の味にこだわり、冷凍品は一切使わず全ての食材を生から調理している