六本木ヒルズ、ウェストウォーク5Fにある「リゴレット バー アンド グリル」。スペインのタパス料理と、イタリアのナポリピッツァやパスタなどが楽しめるレストランだ。国内に展開する11の店舗はどれもテーマが異なり、六本木店は“アメリカンダイナー”。広い店内はピーク時でも程よい賑わいで、平日のランチは30〜40代を中心に、男女の偏りなくワーカーから支持がある。毎日通う常連や週2回通うグループ客も多い。

ランチは、目玉のバーガー類のほか、サンドイッチ、パスタ、ピッツァ、パエリア、ステーキに加え、サラダランチもそろう充実ぶり。ピッツァは日替わり、パスタは週替わりのメニューもラインナップ。パスタ以外は、サラダやポテト、スープなどのサイドディッシュとドリンクがセットになる。平日はパスタが4割、バーガーが3割、ステーキ、パエリア、サラダが3割で、パスタやバーガーを選ぶ人が多数。
 一押しのリゴレット・バーガーは定番人気の一品。肉の繊維質を感じる粗い牛ひき肉をミディアムレアに焼き上げ、大ぶりでソテーされた玉ネギ、トマトやレタスが入っている。肉の旨味をじっくり味わいつつ野菜がさっぱりと後味をしめて、大きいバーガーだが重くない。150円プラスでアボカドや、ハラペーニョをトッピングして楽しむのも通な食べ方でオススメ。ゴーダチーズ、マッシュルーム、ベーコンのトリオが鉄板の美味しさを引き出すスモーキー・マッシュルームバーガーもリゴレット・バーガーに次いで人気がある一品だ。

パスタは、サラダ、パン、スープ、ドリンク、デザートとサイドディッシュが充実。サラダとドリンクのセット（プラス税込250円）や、デザートが入ったフルセット（プラス税込500円）なども選択でき、そのバリエーションは膨大。自分流にカスタマイズできて、幾通りも楽しめる点が多くのワーカーの心を捉えている。
 人気は、真ダコと大葉のアンチョビソース、きのこと自家製ベーコンの和風バター醤油、モッツァレラチーズとバジルのポモドーロなど。スパゲティーでスルスルと味わうことも、リングイネでモッチリ感を楽しむこともその日の気分次第。プラス100円で大盛り、健康を気にする人ならグルテンフリーのペンネにも変更できる。
 女性にはサラダランチも好評だ。ボウルサイズのサラダにスープ、焼き立てのパン、ドリンクが付く。ヘルシーながらもボリュームがあるため、お腹もしっかり。最近は、夜に飲み会などを楽しめるよう昼はヘルシーに済ませたいと、サラダランチを男性客が注文するケースも。どのメニューでもドリンクは同じ種類ならおかわり自由。食べた後に、もう一杯でホッと一息ついてから職場に戻るのもリフレッシュできていい。

ディナーは、手軽にあれこれつまめるタパスからスタート。ガーリックトーストや自家製ピクルスなど300円のメニューが6種類、カルパッチョやアヒージョ、パテ・ド・カンパーニュなど500円のメニューは29種類がそろい、これだけでお腹いっぱいになりそう。定番人気のエビのアヒージョのほか、日本人にはイイダコとオリーブのトマト煮込み、スルメイカのイカ墨煮、季節の食材をチーズとガーリックを加えて鉄板で焼いたプランチャなどが好評。「特にトマト煮込みはお酒の合うと頼まれる方が多いですね。外国人のお客様は、トルティーヤや、ひよこ豆で作るガルバンゾディップ、ハラペーニョフリットなどをよくご注文されます。日本人とは全然好みが違っていてユニークです」と、秘書・広報マネージャー川上寿里氏。

多くは、タパスやサラダを食べた後、メイン、バーガー、パスタなどに分かれていく。メインではスペアリブ、牛ほほ肉のラグー、パエリアなどが評判で、パスタはオマールエビのトマトクリームソースがダントツ。独自入手しているハウスワインは赤、白、泡で34種類がそろう。人気の国産ワイン「まるき甲州」をはじめ、国内では同店と系列店舗しか飲めないオリジナルワインを多くそろえる。「デザートは隔月、その他のメニューは毎月入れ替え、季節の食材などを取り入れて楽しめるように工夫を凝らしています。全ての食材で化学調味料を使わず、ドレッシング類などもできる限り手作り。低温圧搾抽出によるトランス脂肪酸ゼロの油、自然製法の塩、オーガニック砂糖など、基本となる調味料の安全性にも配慮しています」。川上氏は、食の安全への取り組みにも自信をのぞかせた。
 料理もドリンクもさまざまな選択肢がそろうため、スタッフが積極的に話しかけて、好みの食材や味を聞き出し、おすすめの料理を案内。常にニーズに合ったメニューを開発するため、感想をキッチンにフィードバックすることも欠かさないのだそうだ。タパスのイカ墨煮は一度なくなり、復活したメニューなのだという。
 一人でも大人数でも楽しい空間はビジネスシーンでも、プライベートでも貴重。どんな人とでも美味しく、色々なシーンで活用したい利便性の高いお店、覚えておいて損はない。