神谷町駅3番出口から地上に出て桜田通を背に歩くこと1分。道沿いに見えてくるレンガ壁にブルーの看板が映える「SOWA」は1955（昭和30）年に創業した老舗のアイスクリーム店だ。周辺地域の再開発のため3年ほど仮店舗で営業していたが、2021年4月、現在地にイメージカラーとロゴを一新してリニューアルオープンした。

店主で製造を主担当する松浦大祐氏を中心に家族一丸で一から手作りするアイスは、素材の深みなどがしっかり感じられる濃厚さがありながらも後口はもたつかずさっぱり。企業努力により抑えられたお手頃価格もあって、子どもから年配者まで季節を問わず来店するファンが多数。男性ワーカーがグループでランチ後に各々アイスを楽しむ姿もしばしば目にする。
 「ここ2〜3年、これまでほとんど見かけなかった国内観光客の来店が多く見られるようになりました。そして最近では来店者の3〜4割が外国人の方です。コロナ禍を通して新しい客層も増えました」と話すのは同店の松浦順子氏。地域を越えて幅広く愛される確かな味の実力が伺える。

創業当初は卸売をしており、アイスを魔法瓶に詰めてホテル、結婚式場、レストランなどへバイクで届けていた。あっさりと、しかしリッチな味わいは、コース料理の最後に相応しいデザートとしての役目から生まれている。「奇をてらった珍しさより、飽きずに食べ続けられる味を目指しています。着色料などを極力控えているため、市販品の同じフレーバーのアイスより色が薄いものもありますが、果物などはピューレにして加えるなど、素材の味が強く出るように工夫しています。今は店舗に併設した自社工場で作ったアイスを一般販売し、デパートやスーパーなどにも一切、卸はしていません」と、松浦氏はアイスづくりへの想いを語る。

一般的なアイスが乳脂肪8％で作られるのに対し、14.5％と高濃度な同店のアイス。濃くてもくどくない秘訣は糖分だとか。「糖分控えめですが、減らし過ぎるとアイス全体のバランスが崩れるため、甘味を押さえ重くなりすぎないように仕上げています」。

日々のフレーバーは、TwitterやFacebookで告知している。黒糖、メープル、ココナッツなどのほか、春はフレッシュストロベリー、さくら、夏はマンゴー、スイカ、ピーチ、秋は栗、紫芋と季節ものもあり、実に多彩。スイカは種に見せかけたチョコチップを加えるといった遊び心も欠かさない。
 思い立ったら作ってみるという姿勢で、新しいフレーバーの開発にも積極的。ヘルシーな豆乳アイスは、コレステロールゼロの材料にこだわり、乳製品を一切使わないため、アレルギーの人も食べられる点が特徴だ。
 アイス同様、濃厚ながら後味が爽やかなソフトクリームはバニラ（税込280円）、日替り、ミックス（税込300円）の3種類。こちらもアイスと同じくコーンまたはカップが選べ、税込50円プラスでワッフルコーンに変更もできる。

アイスを使ったスイーツも見逃せない。鉄板は色々なフルーツとバニラソフトクリームをミックスしたフルーツランド。中でも、あまおう苺をぎゅっとつぶして混ぜ合わせたストロベリーランドや、マンゴー果肉をザクザクミックスしたマンゴーランドは毎年楽しみにしているファンも多い。
 和菓子派なら、あいすどらやきや、あいすもなかもオススメ。甘いどら焼きの生地にアイスのしっとりクリーミーな味わいも、最中の食感とアイスの甘味のコラボ的な美味しさもどちらもいい。

事前予約制の特製デコレーションケーキ（税込4,650円）もある。直径18cmのバニラアイスの土台の上に、ピスタチオ、チョコチップ、カシスのシャーベット、コーヒーなど、19種類のミニアイスクリーム・シャーベットが贅沢にのる。フレーバーの指定はできないが、季節のアイスやラムレーズンなどの人気の味、鮮やかなカシスソルベが入ったデコレーションケーキは、イベントや取引先への差し入れなどにも喜ばれそうだ。

冷凍便によるアイスクリーム・シャーベット、特製デコレーションケーキの全国発送も可能だ。定番から季節限定まで、アイスクリーム＆シャーベット12個セットが税込4,890円（基本送料込）、18個セットが税込6,520円（基本送料込）。好きなフレーバーを選ぶことも、お任せもできる。特製デコレーションケーキも税込5,800円（基本送料込）で配送可能だ（いずれも一部地域あてにエリア別追加送料がかかる場合あり）。

日替わりソフトのフレーバーは毎日公式サイトで発表。数量限定のため、16時頃には売り切れてしまうが、取り置きは1個から可能だ。暑い日はもちろん、冬の温かな室内で食べるアイスもオツなもの。業務の一服にも取引先への手土産にも皆の笑顔が広がりそうだ。