馥郁たるバターの香り。パイ生地はサクッと軽く、シャリシャリとザラメ砂糖が濃い甘味と軽快な食感で楽しませてくれる。老若男女問わず愛される「銀座ウエスト」のリーフパイは、通常でも5万枚、11〜12月には11万枚を製造する東京土産の王道だ。

昭和22年に高級洋食レストランとして創業したものの、東京都の条例により半年後に喫茶へ業態を変更。文化人に広く愛されたが、西銀座地下駐車場の工事により客が激減。起死回生の策として缶入りクッキーを料亭などに売り歩いたのが、現在に繋がるルーツなのだとか。

素材重視＆無添加を追求し、材料はバター、小麦、砂糖、卵のたった4つ。味が強すぎない東北産バターと小麦の生地を256層まで重ね、菊型で抜き、ザラメ砂糖の中で伸ばしていく。葉脈は1本ずつ丁寧に。バターの使用量が多く、生地が柔らかいため、全工程が手作業。パイを1枚ずつ並べてみると、焼き色も葉脈の入り方も微妙に異なり微笑ましい。
　包装フィルムも防湿・酸化に優れた特殊なもの。日持ちがする上に個別配布も可能なので、ビジネス遣いにもピッタリだ。

1. リーフパイと焼き菓子の詰め合わせも支持率高め。人気No.2のヴィクトリアはクッキー生地の中にスポンジとジャムが入り、食感の違いを楽しめる。ナッツたっぷりのマカダミアンやウォールナッツも美味
2. シュークリーム、エクレアなど定番を中心に並ぶ生ケーキは、喫茶室や直営販売店のみで取り扱っている。牛乳、卵、小麦、米粉といったシンプルな素材で優しい味は年齢を問わず食べやすい
3. 青山霊園の隣にある喫茶室、青山ガーデン。製菓工房、テラス、喫茶、売店までそろった複合店舗だ。ホットスフレやクレームブリュレなど、ここでしか食べられない限定メニューも豊富