ヘルナン・バス「異郷の昆虫たち」

ペロタン東京(六本木6-6-9 ピラミデ1F)

  • 2018/1/18(木)
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ヘルナン・バス「異郷の昆虫たち」

 近年国際的に注目を集めるアメリカ人アーティストのヘルナン・バスを、日本で初めて紹介する個展が本日よりスタート。
 19世紀ヨーロッパのデカダン派やナビ派に影響を受けた、退廃的で危うい美しさを持つ青年像を軸に、象徴性や詩的比喩に満ちた作品を創り出す作家だ。

 「異郷の昆虫たち」と題された本展では、アーティストが近年手にした昆虫学の古書「海外の昆虫 - その構造、生態と変態の報告」から着想を得て、新作ペインティングとドローイングを発表。画面の中で物憂げに佇む青年たちは、コオロギ、トンボ、セミ、蜘蛛などそれぞれ特定の昆虫をモチーフにしているが、扇を羽根に見立てたり、その昆虫のヒントをそっと画面上に配置したりと、あくまで暗喩的に物語は展開していく。

 19世紀後半のヨーロッパで軟弱な男性たちは「ダンディー」と呼ばれ、世俗から逸脱したモンスターのように扱われていた事や、少年から大人へ移行する狭間にいる青年たちの危うげな状態を、外来の昆虫に重ね合わせたヘルナン・バスは、その“美しいモンスター”たちを繊細かつ詩的に描き切っている。

 写真はオープニングのために来日し、作品を一つ一つ丁寧に解説してくれたアーティストのヘルナン・バスさん。

会期は3月11日(日)まで。日月祝休。時間は11:00〜19:00。

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