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パレードへようこそ アキラ・ザ・ハスラー + チョン・ユギョン

パレードへようこそ アキラ・ザ・ハスラー + チョン・ユギョン
OTA FINE ARTS(六本木6-6-9 ピラミデ3F)

2019/5/14(火)
 1969年生れのアキラ・ザ・ハスラーと1991年生れのチョン・ユギョンの二人展「パレードへようこそ」が開催中。年齢の離れた二人のアーティストの共通点、それはアキラがゲイ、チョンが在日韓国人3世という、社会的に見るとマイノリティに属するということだ。しかし、二人がその立ち位置をアートに昇華する手法は、実に軽やかでスタイリッシュだ。

 アキラ・ザ・ハスラーはこれまでさまざまな社会問題をテーマに作品を制作しデモなどにも参加してきたが、高さ240cmの大型作品《雲の人(each/together)》がまとうドレスは、実は、安保法案に反対する2015年の国会前デモの際に、風船を使って空に浮かべた横断幕「安倍やめろ」を用いている。また雲の顔は、団体で行動せずデモごとに雲集霧散する自立した人々の象徴として表現。この横断幕やドレス自体にも、先達へのアキラのオマージュが込められているという。
 チョン・ユギョンは、北朝鮮のプロパガンダポスターから採用した扇動的な文字を、印刷物のドットを拡大した丸と合わせ、極めてポップな作品に生まれ変わらせている。そのチグハグな空虚さを面白がる姿勢や、作品を遠くから見ると人の輪郭が浮かび上がる距離感の曖昧さなどは、まさにチョン自身の“在日”としての立ち位置ともいえる。

 自身が身を置く社会のひずみをカラフルに抽出し、誇り高く軽やかに歩む二人のパレードへあなたも参加してみては。

【会期】4月27日(土)〜6月29日(土) 【休廊日】日月祝 【時間】11:00〜19:00