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塩田千春展:魂がふるえる

塩田千春展:魂がふるえる
森美術館

2019/6/19(水)
 記憶、不安、夢、沈黙など、かたちの無いものを表現したパフォーマンスやインスタレーションで知られる塩田千春(しおたちはる)の、25年の活動を紹介する過去最大規模の個展がスタート。

 一昨年、12年前の癌が再発、そして手術を経験するのと時を同じくして、森美術館から個展の依頼を受けたという塩田。「個展のお話が来た時、まずは『生きていてよかった。作品を作り続けていて良かった』と思いました。今まで300回以上展示を経験していますが、ここまで死と寄り添って構想を練らなければならなかった展示は初めてです」との内覧会での言葉が胸に響いた。死と向き合う不安と決意、不条理への葛藤、そんな中でどうにか心の居場所を見つけようとする塩田の展示は、まさに副題の「魂がふるえる」体験を鑑賞者に与えてくれる。

 塩田が5歳の頃に描いたダイナミックな花と蝶の絵、学生時代の鮮烈なパフォーマンスやインスタレーション、そして代名詞でもある無数の糸を使い、会場に合わせ再構築されたインスタレーション、身体のパーツと動物の皮で表現された、生命の存在を感じさせる新作と、それぞれが塩田の生きる確かな痕跡のように会場を埋める。先の見えない不安を抱えながら生きる私たちにも、共鳴する部分がきっとあるはずだ。

【会期】6月20日(木)〜10月27日(日) 【休館日】会期中無休 【時間】10:00〜22:00(火曜は17:00まで、10月22日は22:00まで)