遊びの流儀 遊楽図の系譜

サントリー美術館

  • 2019/6/25(火)
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遊びの流儀 遊楽図の系譜

 古来より美術のテーマだった「遊び」に着目し、双六やカルタ、舞踊やファッションなど、男女が熱中した楽しみごとの変遷を、主に遊楽図を通してながめる展覧会が開催。

 展示は、遊びが時代と共に変化し、公家から武家、町衆へと身分を超えて伝わりながら、伝統行事や日常生活の中で息づいてきたことが分かるよう、緩やかな時系列で展開。
 まずは、《十二ヶ月風俗図》(山口蓬春記念館)など、四季折々に大人も子どもも夢中になって遊んでいた街の様子を紹介。近づいて鑑賞すると当時の賑わいや熱気が伝わってくるようでワクワクする。
 そして、鶯を持ち寄り鳴き声の優劣を比べる鶯合(うぐいすあわせ)や、二枚貝のペアを当てる貝合(かいあわせ)、蹴鞠や小弓などの野外遊びなど、平安時代の雅な宮廷遊戯にも着目。また、中世以降に、中国の士君子のたしなみとして奨励された「琴棋書画(きんきしょが)」(琴・囲碁・書道・絵画)の影響を受けて描かれた屛風や襖絵も見応えがある。

 本企画展のきっかけにもなった、サントリー美術館の新収蔵品《清水・住吉図蒔絵螺鈿西洋双六盤》(重要文化財)など、双六やカルタの実物展示も非常に充実しており、先人たちが実際にそれで遊んでいる姿を想像すると面白い。

 漠然とした遠い昔の時代が、遊びという普遍的なフィルターを通すことでグッと身近に感じるはずだ。

【会期】6月26日(水)〜8月18日(日) 【休館日】火曜(8月13日は18:00まで開館) 【時間】10:00〜18:00(金・土曜、7月14日、8月11日は20:00まで) ※会期中展示替えあり

【手前右】左義長羽子板 一枚 江戸時代 19世紀 サントリー美術館
【手前左】貝桶・合貝 一具 江戸時代 18〜19世紀 サントリー美術館
【奥】妓楼遊楽図屛風 六曲一隻 江戸時代 17世紀 国立歴史民俗博物館

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