禪フォトギャラリーは、中国と日本の写真を専門に紹介するギャラリーとして、2009年9月18日に渋谷の地で開廊し、2011年2月に現在の六本木に移転。以来現在までに80名を超えるアーティストによる163の展覧会を開催し、130タイトル以上の写真集を刊行してきた。

 10周年を記念した本展では、これまで禪フォトギャラリーで刊行した全ての出版物を年代順で展示し、10年の歩みを振り返る。「そもそも出版社を始めるつもりはなく、これはあとからの思いつきだった」とオーナーのマーク・ピアソン氏が回想するように、開廊当初は、展示する作品の記録としてシンプルな作品カタログを制作していたに過ぎなかったが、年を重ねるごとに出版物そのもののクオリティが上がり、写真作品と写真集が相互に高め合うような、現在のスタイルが確立されていった。今回のように、フォトギャラリーながら写真作品の展示はなく、出版物のみの記念展というのも、写真集に力を入れる禪フォトギャラリーならではの企画だろう。

 出版物は全て手に取って鑑賞でき、購入も可能（一部SOLD OUTあり）。同じアーティストのシリーズものの変遷や、時代の空気感の違いなど、クロノロジカルに展示されて初めて気づく発見があるはずだ。

【会期】9月18日（水）〜10月19日（土）
【休廊日】日月祝
【時間】12:00〜19:00