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ソピアップ・ピッチ展「RECLAIM - 再生」

ソピアップ・ピッチ展「RECLAIM - 再生」
小山登美夫ギャラリー(六本木6-5-24 complex665 2F)

2019/12/20(金)
 カンボジアを代表する現代アーティスト、ソピアップ・ピッチの個展が開催。

 1971年生まれのピッチは、ポルポト政権下の悲惨な幼少時代を過ごした後、難民キャンプに逃れ1984年にアメリカに移住。しかし、2002年には母国に戻り、スラム街での厳しい生活環境をものともせず、むしろ原動力に変え生き生きと作品制作に打ち込んだ。「その時の私にはとにかく時間はたっぷりあった。あとは“贅沢”を手放すだけで、全てを制作に費やすことができたんだ」と当時を振り返る。
 そんなピッチは、竹、ラタンなどカンボジアに根ざした素材を手仕事で編み、洗練され現代的な構造の作品を生み出すことで知られている。

 今展で特に注目したいのは、カンボジアで本人が蒐集したアンティーク家具の木材と、その構造を竹の編み込みのグリッドで再現し併置したレリーフだ。
 現在、カンボジアの美術品や調度品は多くが海外や隣国に流出しており、その状況にアーティストとして何ができるかと模索した時に、作品に昇華することを選んだのだという。「元々、古材が好きで7年ほど蒐集していたが、作品に使うのは今回が初めて。木材の傷跡や継ぎ目はそれ自体がアートであり歴史です。それを自然物で丹念に再現することで、失われゆく文化への危機感を提示しながらも、一筋の光を探し当てたい。もしこの作品が将来美術館に収蔵されれば、カンボジアの一つの文化を守れたことになるんじゃないかな」と無邪気な笑顔で夢を語った。

【会期】12月20日(金)〜2020年1月25日(土)
【休廊日】日月祝、12月29日〜1月6日
【時間】11:00〜19:00