サーニャ・カンタロフスキー「Paradise」

タカ・イシイギャラリー東京(六本木6-5-24 complex665 3F)

  • 2020/1/29(水)
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サーニャ・カンタロフスキー「Paradise」

 ロシア・モスクワ出身で、ニューヨークを拠点に活動するアーティスト、サーニャ・カンタロフスキー。ヨーロッパ、アメリカなどで人気が高まる注目作家の、アジア初個展がタカ・イシイギャラリー東京でスタートした。

 本展は、大型の絵画作品4点と、アダチ版画研究所の協力を得て制作された4点の木版画作品のほか、1階のビューイング・ルームの小絵画作品群で構成される。描かれた場面からはことごとく不穏で皮肉めいた主張を感じ、相反するさまざまな要素をはらみ物語が進行していくことが分かる。
 並んで展示される絵画と木版画は、同じモチーフが描かれていたりと確かな相関関係はあるのだが、絵画は即興的で拡張していくイメージ、対して版画は型をつくってそこに固定していくイメージと、全く性格の違うメディウムが見事に両立している風景はとても面白い。それには、サーニャの独特の画面構成や筆致と、アダチ版画研究所の浮世絵制作の高度な技術が大いに寄与している。

 欲望そのものをどうのように描き出すか――人間の本質をえぐり出すような表現に、圧倒されること間違いなしだ。

【会期】1月24日(金)〜2月22日(土)
【休廊日】日月祝
【時間】11:00〜19:00

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