エモン・アワードグランプリ受賞者 大塚広幸展

EMON PHOTO GALLERY(南麻布5-11-12 TOGO Bldg. B1)

  • 2020/8/20(木)
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エモン・アワードグランプリ受賞者 大塚広幸展

 新しい写真表現を追求する新進作家の発掘を目的としたエモン・アワードで、グランプリを受賞した大塚広幸(おおつかひろゆき)の個展が開催中。

 大塚の制作プロセスは“目の前にある被写体を撮る”という、一般の写真の概念とはかけ離れている。まずは、インターネット上の画像を被写体に、液晶ディスプレイの表面を剥がしてRGB信号のドットを表出させ、そこに液体シリコンを塗布したガラスを密着させることで、無数のレンズ効果を可視化。さらにそれを大判カメラで撮影し、ガラス職人の自らが削り出したガラスフレームに閉じ込めるという、何重ものプロセスを踏んでいる。
 元の被写体を執拗なまでに抽象化しているようで、ガラスの凹凸や光の反射、RGBドットのある種グロテスクな表出が、今ここに満ちる生命をリアルに感じさせるから不思議だ。

 本展は、EMON PHOTO GALLERYの実スペースとしては最後の展示となる。最後の個展に大塚を選んだことについて、ディレクターの小松氏は「たとえまだ無名でも、写真の可能性を広げ、実験し続けるチャレンジャーを紹介したいというエモンの精神から、彼は相応しいと思いました」と語る。地下に位置しながら絶妙な光が差し込む美しいギャラリーで、エモンらしいラスト展示を楽しみたい。

 なお、10月頃からは、ウェブを中心に映像作品で新進作家を紹介していく新たな展開が予定されている。

【会期】8月14日(金)〜29日(土)
【休廊日】日曜
【時間】11:00〜18:00
※入場にあたり、マスク着用、手指消毒の協力が必要。3名以上で来廊の場合は要事前連絡。

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